先の参院選で6議席減と「惨敗」した立憲民主党。泉健太代表が支援団体、連合関連団体のあいさつで「野党が分裂し、非常に厳しい環境での戦いを強いられた。各野党に呼びかけ、1人区を中心に候補者を可能な限り一本化する努力をした。国民に分かり易い与党との対決構図をつくっていくのが野党側の使命」と語ったことが報じられた。
何を今頃、と立憲支持者らから呆れる声が聞かれそうだ。参議院選挙は3年毎の定時選挙。衆議院のような常態戦場態勢ではない。「国民に分かり易い与党との対決構図をつくっていくのが野党側の使命」というなら、先の衆院選挙終了直後から起死回生の態勢づくりをする期間が十分にあったはず。野党第1党代表として、まとめられなかった結果ではないか。
1年もあって、できなかった候補一本化、しかも、泉代表の中には連合会長の意向反映で、共産党を枠組みに入れない野党候補一本化のようだし、国民民主は右傾化を強め、いまや自公・維新の枠に入り込むくくりの中にあるようだ。これで、一本化を図る努力を言われても、だれも実現の可能性を感じ取れないだろう。
泉代表に政権選択肢となり得るリーダーとしてのカリスマ性が感じられない、との意見もある。そもそも比例代表で、今回、野党第1党の座を「日本維新の会」に奪われてしまった。維新は784万票を得、立憲は677万票。100万票以上の大差がついた。
その責任も取らず、代表任期満了(24年9月)まで続投、次期衆院選に臨む考えといわれている。新潟選挙区の森裕子氏は今回落選したが、連合会長が共産党との関係はありえないなどと選挙終盤に改めて強調したとか。これが前回選挙とまったくちがった、まとまりのない選挙戦になった。その責任は泉代表、連合依存度の強すぎがあったのではないか。
泉代表の「国民に分かり易い与党との対決構図をつくっていくのが野党側の使命」との発言報道に、蓮舫参院議員は14日「野党側の使命、と。この夏の参院選でなぜ果たさなかったの」とツイッターで歯がゆさを発信した。まったく同感だ。泉氏への不満は立憲の多くの有権者が感じているのではないか。
泉代表は敗戦の責任をとり、一端辞任し、党再生へ再出発の「新執行部」誕生をめざすべきではないか。立憲カラーがまったくアピール力のないものになっている現実を重く受け止めるべきだ。結党時に戻っての党再生を期待する。(編集担当:森高龍二)