リコール署名不正防止へ署名収集者の氏名欄創設

2022年11月17日 06:49

 愛知県知事リコールを巡る「署名偽造事件」の悪質事態を受け、総務省は不正手段によるリコールを防ぐため、省令で定めている署名簿の様式に「署名収集者の氏名を記載する欄」を設けるとともに、署名偽造に罰則のあることを明記する方針で、地方自治法施行規則などの改正案のパブリックコメントを募っている。

 今回の規則で「署名収集者の氏名を記載する欄」を設けることでリコール活動にブレーキがかからないか、懸念の声も一部にある。

 寺田稔総務大臣は15日の記者会見で「愛知県知事のリコールを巡り不正な署名活動が大規模に行われたため、去年10月に直接請求制度の運用上の課題に関する研究会を立ち上げ、今年4月に報告書を取りまとめた。署名簿上で署名収集者を特定できないことが署名偽造の一因になっている可能性が指摘された」と改正の必要を説明した。

 寺田大臣は「改正案は署名活動を阻害する内容ではなく、適正かつ円滑なリコール、直接請求制度の運用に資するものと考えている。意見募集の結果も踏まえ、省令改正の作業を進めていきたい」との考えを述べた。(編集担当:森高龍二)