昨年9月頃から、電気料金の値上げが続いている。生活と直結する費用だけに、高騰する燃料費に頭を悩ませている家庭も多いのではないだろうか。とくに、これから年末年始にかけては、寒さが厳しくなるためただでさえ暖房費がかさむ時期。それに加えて、新型コロナやインフルエンザの感染を避けるために自宅で過ごす機会も多くなることが予想されるため、早急な対策が求められている。
政府は令和4年9月20日に「物価・賃金・生活総合対策」として、電力・ガス・食料品等の価格高騰による負担増を踏まえ、住民税非課税世帯等に対して、1世帯あたり5万円の臨時特別給付金の支給を閣議決定。さらに10月28日には、総額6兆円を投入して電気・ガス料金の負担を軽減する総合経済対策を閣議決定した。これにより、標準的な家庭で計4万5000円、一カ月当たり約5000円程度の負担緩和につながる見通しだ。
とはいえ、この状況が長く続くのがよろしくないのは明らかだ。また、財政資金を投じてエネルギー価格を抑える施策は、出口が決まっていないと、ガソリン補助金のように何度も延長や拡充が繰り返される恐れもある。家庭や企業での省エネへの取り組みを抑制してしまい、世界的な流れとなっている脱炭素化にも悪影響を及ぼしかねない。やはり、政府の一時的な施策に頼り切ってしまうのではなく、各家庭や企業での継続的な対策が必要だ。
例えば、ハウスメーカー側からの提案として、木造注文住宅メーカーのアキュラホームが先日、大変興味深いキャンペーンを開始した。同社は、これまでから太陽光発電を全棟提案するなど、数あるハウスメーカーの中でもとくに省エネや節エネに取り組んできたメーカーだが、今回、11 月19 日より発売開始する新商品“剛木造”「超空間の家 スマート」に合わせて、「光熱費保証」と「総額5 億円分光熱費応援キャンペーン」を開催するという。「光熱費保証」とは、電気料金、ガス料金を「光熱費シミュレーション」によって表示し、建築から1 年間、シミュレーション金額との差額を顧客に還元するというものだ。単なる値引きではなく、光熱費を抑えれば抑えるほどメリットのある仕組みとなっているため、家庭内の省エネ意識の向上にもつながりそうだ。また、「総額5 億円分光熱費応援キャンペーン」の方では、光熱費の高騰だけでなく災害時の備えにもなる太陽光発電システムを抽選で提供するものだ。1等は太陽光発電システム3kwで、これを使用することで、35年間で約319万円相当の光熱費削減につながるという。しかも、同キャンペーンは新築検討中の顧客だけではなく、すでに建築済のアキュラホームユーザーなども対象となる上、権利を建築可能な人に譲渡することもできるという。抽選期間は11月19日~12月24日までとなっている。
政府施策のように直接的な負担軽減も有難いが、将来的なことを考えると、アキュラホームの提案のように、もっと継続的に光熱費を抑制し、省エネにつながる取り組みが必要だ。高騰を続ける電気代に頭を悩ませるばかりでなく、アイデアや工夫を凝らすことで、各家庭や企業でも、もっとできることはあるかもしれない。(編集担当:藤原伊織)