双日、メガソーラー事業をドイツで開始

2011年10月25日 11:00

 太陽光発電の全世界での導入量は、2010年12月末時点において、環境事業法案が整備されている欧州各国が牽引役となり、40ギガワットに達したと推定されている。特にドイツでは、2004年に改正された同国再生可能エネルギー法に基づき、原子力発電に頼らない再生可能エネルギーの普及を積極的に推進しており、世界導入量の43%にあたる約17ギガワットを導入している再生可能エネルギー先進国。また、同国は2030年までに再生可能エネルギー比率を全体の50%にする目標を掲げており、今後も継続的な成長が見込まれている

 そのような中、双日は、ドイツの首都ベルリンから南方に100キロメートルのミックスドルフにおいて、メガソーラー大規模太陽光IPP(独立発電事業者)事業を開始。総事業費は5700万ユーロ(約63億円)で、年間発電能力は24メガワットと同国でトップクラスのメガソーラー事業となる。同社は、2010年よりドイツ南部のベッツヴァイラーにおいて年間発電能力3メガワットの太陽光発電事業を進めており、今回の案件は2例目となるという。

 今回設立した「ソーラーパークミックスドルフ(Solarpark Mixdorf)発電所」は、約80ヘクタール(東京ドーム約20個分)の土地に、太陽光パネルを約10万枚敷き詰める大規模なもの。発電所は、2011年7月末に完工し、同月より稼働開始、現在も安定した電力供給を行っている。また同社は、ドイツの電力公社イオン・エディス社(EON-Edis A.G. 本社:ドイツ・ブランデンブルグ)と20年間の長期売電契約を締結し、同国のフィードインタリフ(Feed In Tariff (FIT)、固定価格買い取り制度)にて定められた0.2207ユーロ/kWh(約24.2円)にて販売する。今回の発電所の設計、調達、建設・試運転(EPC)は、欧州の太陽光発電事業において同社と提携関係にあり、ドイツの大手太陽光発電事業会社であるヴィルソル社(Wirsol Solar A.G. 本社:ドイツ・ブリュッセル、代表者:Nikolaus Krane)が実施する。

 同社は、2009年から始まった中期経営計画「Shine2011」において、環境・新エネルギー分野を「新規育成分野」と位置付け、2011年4月より専門組織「環境・都市インフラ推進室」を立ち上げている。同室では、将来の収益ドライバーとして時代に不可欠となるスマートビジネス分野に注力し、環境配慮型の社会・生産インフラの整備・運営及びIT技術革新に高付加価値サービスの提供等での収益確保を目指す。また、太陽光発電事業で得たノウハウを生かし、太陽光バリューチェーンの構築を進めるとともに、その他の再生可能エネルギー事業にも取り組んでいく。