岸田文雄総理は8月31日、中国が東京電力福島第一原発事故で増え続ける放射性物質に汚染された水のALPS処理水の海洋放出に伴い、我が国最大の輸出国である中国が日本産水産物の全面輸入禁止や日本産水産物の加工や食品販売の禁止措置をとっていることに関して「中国など特定国による輸入全面停止による損害は東電により賠償される」とした。
その一方で「既に用意した800億円の基金による国内消費のPR、漁業者団体による一時買取り、一時保管の支援、燃油コスト削減などの対策を十分に活用し、水産業の生業、事業を活力ある形で子や孫世代まで持続的に引き継いでいけるよう、政府として万全を尽くす」と税投入含めての支援姿勢を強調した。
漁業者らが反対する中、一定理解を得られたなどとして海洋放出を決めた岸田政権は海洋放出完了まで政府が責任を持つと国民に負担をかぶせた。海洋放出を決めた政府が責任を負うのは当然だが、原発が一端重大事故を起こした場合、環境・生態系への甚大な影響、膨大な賠償問題など、その影響を教訓とせず、岸田政権は原発推進路線を進めている。(編集担当:森高龍二)