盛山正仁文部科学大臣は12日、臨時記者会見を開き、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対して解散命令請求を行うと発表した。森山大臣は「13日以降、準備が出来次第、東京地裁に解散命令請求を行いたい」と語った。裁判所への提出資料は約5000点に及ぶとも語った。岸田文雄総理は「宗教法人法に基づいて手続きを進め、客観的事実に基づき、厳正に判断したものと認識している」と記者団に語った。
盛山大臣は「解散命令請求にあたっては十分な実態把握、具体的な証拠の積み上げが不可欠だった。文化庁は昨年11月以降、7回にわたる報告聴取、質問権の行使のほか全国霊感商法対策弁護士連絡会や170名を超える被害者の方々から個別の経緯や被害状況などの情報収集を文化庁として最大限配慮をしながら丁寧に進めてきた」とした。
また請求理由として盛山大臣は「旧統一教会は遅くても昭和55年ころから長期間にわたり、継続的に、信者が多数の方々に、自由な意思決定に制限を加え、正常な判断が妨げられる状態で、献金や物品購入をさせ、多くの方々に多額の損害を与えてきた」とした。
そして盛山大臣は「旧統一教会の行為は民法の不当行為に該当し、その被害も甚大であることを踏まえると宗教法人法第81条第1項第1号に定める『解散命令事由』に該当する」と述べた。
また盛山大臣は「旧統一教会の行為は財産的利得を目的とし、献金の獲得や物品販売にあたり、多くの方々を不安や困惑に陥れ、その親族を含む多くの方々に財産的・精神的犠牲を余儀なくさせ、生活の平穏を害するものだった」とし「宗教法人の目的を著しく逸脱するもの」と断じた。そして「宗教法人法第81条第1項第2号にも定める『解散命令事由』にも該当する」とした。
一方、世界平和統一家庭連合は政府方針を受けて同日「極めて残念であり、遺憾に思っております。特に、当法人を潰すことを目的に設立された左翼系弁護士団体による偏った情報に基づいて、日本政府がこのような重大な決断を下したことは痛恨の極み」とコメントを発表。
また「岸田首相は昨年10月19日、宗教法人への解散命令請求が認められる法令違反の要件には『民法の不法行為は入らない』という長年の政府の法解釈を一夜にして強引に変更し、『民法の不法行為も入り得る』と国会で答弁しました。野党の追及や世論に迎合した結果であるのは明らかで、日本の憲政史に残る汚点となるでしょう」と反発している。
そのうえで「私たちは国から解散命令を受けるような教団ではないと確信しております。今後は裁判において、私たちの法的な主張を行っていく予定です。国民の皆様からも、少しでも教団を理解していただけるよう、今後も積極的な情報発信などに努めてまいります」と情報発信していく姿勢を示している。(編集担当:森高龍二)