東京電力福島第一原発事故再生総括担当大臣でもある土屋品子復興大臣が10月25日に同原発の放射性物質除去設備の「ALPS」配管洗浄中に協力企業の作業員5人が防護服の上から放射性物質を含む液を浴び、うち2人が入院する事故を「報道で知った」と30日の衆院予算委員会で答弁。政府内連携、東電との情報共有の悪さが浮き彫りになった。
立憲民主党の岡本あき子議員が「先週、東電福島第一原発で残念な事故が起きた。復興大臣はこの情報をいつ知ったのか」と質した。これに答えた。岡本議員は「経産省や東電から事故を聞くことなく、報道で知るのは非常に問題だ」と指摘した。
岸田文雄総理は「いわれるように関係省庁の連携、意思疎通を図ることは非常に重要と思う。今一度、点検させたい」と情報共有・連携を図る意向を示した。
西村康稔経済産業大臣は事故について「ALPS処理する前の汚染水を通す配管の洗浄作業中にホースが暴れたような状況になって汚染水を浴びたという報告を受けている。その際、防護服の上に、いわゆるカッパのようなものを着ていなければいけないのに着ていなかったと聞いており、法令違反しているわけではないが、洗浄作業計画では着ることになっていたのに着ていなかった。そのため被爆したということで、入院された方の健康状態に今のところ特段の異常はないとの報告を受けている。経産省から東京電力に対し安全確保に万全を期すよう指導した」と答えた。(編集担当:森高龍二)