自民党派閥パーティーを巡る「裏金」、政治資金収支報告書への虚偽や不記載の問題に関する真相解明のための衆議院政治倫理審査会が29日開かれ、岸田文雄総理と武田良太元総務大臣が立憲民主党・野田佳彦元総理や日本共産党・穀田恵二国対委員長らの質問に答えた。
この中で野田元総理は冒頭、岸田総理が前日の記者ぶら下がり会見で「志ある議員は政倫審はじめあらゆる機会を利用して説明責任を果たすよう期待する」と語ったことについて「志というのは世のため、人のために尽くそうということをいう。裏金をつくり、脱税をしている人たちに志を求めるのはそもそも間違っている」と『裏金議員』の国会議員としての資質そのものに強い疑問を投げた。
次いで「裏金が立件され刑事事件の対象になった国会議員3人。説明責任を果たそうと政倫審に出てきた議員は総理を除いて5人。しかし裏金にかかわったその他の議員にも重たい政治責任がある。刑事責任も問われない、政倫審にも出ない、税金も払わない、処分もない。何にもないのであれば同じことがまた起こる。そろそろ党としての処分を考えなければいけないのでは」と質した。
岸田総理は「いわれるように、法律上の責任以外にも政治家としての政治責任、道義的な責任はあると思っている。説明責任の果たし方、事実の把握を踏まえながら党として処分をはじめとする政治責任について判断していきたい」と述べた。
一方、岸田総理自身の政治資金パーティーに関しても言及。野田元総理は「岸田総理は2022年に政治資金パーティーを7回開いているが、総理は『勉強会』と説明した。政治資金パーティーを勉強会との言い方で誤魔化すのはやめた方がいい。一晩で3000万円を得るような集会をやって、それを勉強会という。どう見ても法令上は政治資金パーティーではないか」と指摘。
岸田総理が「総理就任前から続けている勉強会だ」と強弁したため、野田元総理は「総理在任中は、もう政治資金パーティーはやらないと明言できるか」と強く追及。追い込まれた岸田総理は「在任中はやることはないと考えている」と明言するに至った。(編集担当:森高龍二)