岸田総理が連合調査集計結果で賃上げ率が昨年同期3.76パーセントに対し5.25パーセント、中小企業も3.39パーセントに対し4.50パーセントと力強い賃上げの流れが出来てきている、などと今月2日の政府経済財政諮問会議で語り「デフレ脱却の正念場」と強弁するが、労働者の実質賃金は23か月連続して減少していることが、厚生労働省が8日発表した2月の労働者1人当たり現金給与総額で明らかになった。
基本給や残業代、ボーナスなどを組み合わせた2月の現金給与総額は28万2265円で前年同期に比べ名目では1.8パーセント増えたものの、実質では1.3パーセント減少。2020年の平均を「100」として、2月の現金給与総額は「82.1」。
現金給与総額で最も高い業種は電気・ガス業の47万1595円。前年同期比でマイナス1.4パーセントながらトップ。40万円台は情報通信業、金融・保険業、学術研究の3業種。一方で低いのは飲食サービス業の12万8660円、生活関連サービス業20万889円、卸売・小売業24万7467円だった。(編集担当:森高龍二)