住友林業など3社、新しい住宅用不同沈下修正工法を開発

2011年10月05日 11:00

 住友林業と日新製鋼、および日新鋼管の3社は、軟弱地盤の地域で住宅に不同沈下が発生した場合に、基礎ごと住宅をリフトアップし、沈下を修正する「住宅用不同沈下修正工法」を開発したことを4日に共同で発表した。

 「住宅用不同沈下修正工法」は2種類の工法に大別される。住宅を建設する段階であらかじめ基礎下に「ZAM(日新製鋼が開発した、亜鉛-アルミニウムとマグネシウムのめっき層を持つ溶融めっき鋼板で、優れた耐食性と加工性を持つ)」製の膨張型鋼管(ロックボルト)を敷設しておき、沈下が発生した際に修正工事を行う「先施工工法」と、不同沈下発生後の住宅に適用する「後施工工法」がある。

 まず、「先施工工法」は、ロックボルトへの注水による隙間形成、形成された隙間への水密構造耐圧バッグの挿入と水圧付加によるレベル調整、発泡ウレタンなどの注入による恒久処置、という手順によって進められる。一方「後施工工法」は、これに表層改良部の掘削と膨張型鋼管の敷設作業を追加する。

 「住宅用不同沈下修正工法」は、従来の工法である「薬液注入工法」に比べて環境に優しく、また油圧ジャッキによってリフトアップする工法に比べて耐食性にも優れ、低コストであることを大きな特長だ。