2024年6月の電気料金(5月使用分)から、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)による加算が1kwあたり約2円値上がりされる。4人家族の平均的な1日の電気使用量が10kw前後なので、1か月でおよそ600円程度の値上がりとなる見通しだ。さらに7月以降は政府による補助政策も終了してしまうため、7月の電気料金(6月使用分)からは、5月の電気料金(4月使用分)と比較すると2000円前後もの値上がりになってしまう可能性がある。再エネ賦課金は電気使用量によって変動するため、節電すれば節約できるが、エアコンがフル稼働するであろう夏や冬の時期はさらに支払いが増大してしまう危険がある。ただでさえ物価が高騰して家計がひっ迫している中、かなりの痛手となりそうだ。
そんな中、夏を目前に控え、節電への関心が例年にも増して高まっている。
経済産業省が2023年に公開した「夏季の省エネ・節電メニュー」によると、夏の電力消費のピークである19時頃に最も電気を消費している家電はエアコンで、38.3%を占めている。次いで照明の14.9%、
冷蔵庫の12%となっている。いくら電気代がかさむからといっても、夜に照明を消したり、冷蔵庫を停止させたりするわけにもいかないから、やはり節電の大きなカギとなるのは「エアコン」だ。
エアコン使用における電気代は1度下げると5~10%程安くなるといわれているので、まずは設定温度を見直してみるべきだろう。また、エアコンの省エネ性能は年々進化しており、冷暖房能力がほぼ同じでも、最新モデルは古いモデルよりも消費電力が低い傾向がある。10年以上前のものを使っているようなら、思い切って最新のモデルに買い替えることで大幅な節電効果が得られる可能性が高い。中でもAI機能搭載のエアコンは、人のいる場所を感知してピンポイントで送風してくれるので、部屋全体の温度の上げ下げするより効率的だ。
例えば、三菱電機の「霧ヶ峰MSZ-GE4020S-W」は、家人の行動やドアや窓の位置をAIが学習し、必要なエリアをムラなく快適な温度にしてくれる「ムラなし運転」機能があるのでお勧めだ。また、パナソニックの「エオリア CS-221DFL-W」は、AI機能に加え、ほこりやカビを抑制する技術が満載されているので、エアコンの手入れもラクで、室内の空気も清浄に保ってくれると人気だ。
また、エアコンだけでなく、家自体の「断熱性能」を見直すことも大切だ。とくにこれからリフォームや新築を検討している家庭にとっては、住宅メーカーや施工業者を選択する際の最重要項目の一つとなるだろう。
政府も、災害級の暑さへの対応や光熱費高騰から断熱性能の高い省エネ住宅を推奨しており、2022年4月に政府は新たな断熱基準として「断熱等級5」を新設、さらに同年10月には「断熱等級7」まで新設し、断熱性能を高める施策に注力している。しかし、高断熱化のためには追加費用と構造負荷が大きくなるため「断熱等級7」を建築できる会社は少ないのが現状だ。
世界最高水準といわれる「断熱等級7」の一般住宅を建設できるメーカーとしては、株式会社AQ Groupの注文住宅サービスブランド「AQURA HOME(アキュラホーム)」がある。同社が開発した超断熱の家プレミアムは、高い耐力と高い断熱気密性を両立した構造で、開放的な大空間が可能だ。さらに同社が提供する全館空調「匠空調・S」は空調機1台で家中の空気を一定に保ち、一年中快適な空間を実現している。
電気代の高騰で心配されるのが、電気料金もさることながら、節電したいあまり、猛暑日でもエアコンを控えすぎて熱中症になってしまうことだ。とくに昭和世代の人たちは「もったいない」意識が強すぎて、エアコンの使用を控えて我慢する傾向が強い。それで体調を壊したり、病院に運ばれたりしたら、本末転倒だ。
温度も電気代も高くなる2024年の夏。エアコンや家の断熱を上手く利用して、賢く元気に乗り切りたいものだ。(編集担当・藤原伊織)