岸田文雄総理は5日、都内であったアジア・ビジネス・サミットに出席し「日本ならではのやり方でアジアを平和と繁栄、協調地域にしていくための取組みを進めていきたい」と述べ、グリーン・トランスフォーメーション(GX)とデジタル・トランスフォーメーション(DX)での日本の役割を強調した。特に「日本のAI技術でアジアで10億人を超える新たなマーケットの創出に貢献していきたい」と述べた。
岸田総理はGXでは「アジアの脱炭素化を牽引し、アジアに巨大な脱炭素マーケットを創出するための協力を推進していく」とした。岸田総理は「日本は2050年カーボンニュートラルと経済成長の両立を目指し、10年間で20兆円規模の先行投資支援を行い、150兆円の官民投資を実現する、グリーン・トランスフォーメーション、GXを国家戦略として推進する」と述べた。
岸田総理はアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)がアジアの脱炭素化を推進するエンジンとなり、プラットフォームになっていくと確信しているとし、秋にラオスで首脳会合を開催できないか調整を進めていると述べた。そこで「今後10年を見据えた具体的な行動方針を関係国間で合意する年にしたい」とした。「ERIAにはアジアにおけるOECD(経済協力開発機構)のような組織になって欲しい」と期待を示した。
DXについても「AI(人工知能)分野でのイノベーションをアジアの皆さんと共に進めていきたい」と呼びかけ「AIは産業競争力、さらには国力そのものを左右する技術で、日本のAI技術で、アジアで10億人を超える新たなマーケットの創出に貢献していきたい。AI人材の育成についてもアジアと共に取組みを進め、5年間で10万人の高度デジタル人材育成を行っていくことを約束している」などと述べた。(編集担当:森高龍二)