「政治とカネ」問題。抜本改革には「政権交代しかない」と断じた立憲民主党・野田佳彦代表。決勝戦(総選挙)の相手が27日、石破茂衆院議員(自民党総裁)に決まった。
「本気で政権を取りに行く」。野党第一党党首として政権交代がかかる次期総選挙で「自公の過半数割れ」を狙う野田元総理。国民に分かりやすい選挙戦にしてほしい。
その1歩は、野田内閣が誕生した場合の閣僚の布陣を示す事。どういう顔ぶれで、1年目に何を実現するのか。政策の軸は何か、野田内閣の布陣案と目標値を時系列で短期・中期・長期で明確に示し、総選挙に臨むことを求めたい。
野田氏は23日の党代表選挙で、国会議員・次期総選挙への出馬予定者・都道府県連のいずれの部門でも枝野幸男元官房長官に差をつけ「決勝」に進んだ。
次は、最短10月27日投開票といわれている衆院選挙。ここで勝つにはどういう布陣の組閣をするのか、大筋を示すことが無党派層を含め、安心感と期待感を持たせることになるといえよう。対戦相手が「石破茂」という自民党元幹事長、元防衛大臣経験者であり、石破氏は総裁就任会見で「幹事長は選挙に勝てる人が条件」と明言した。総選挙と来年の参院選、加えて都議会議員選挙、各地の自治体選挙。これをにらんだ人選を行う旨を強調した。そこを見越して、政権を奪取しなければならない野田氏がどう戦うのか。石破氏が相手だけに最も手ごわい相手と戦うことになったといえよう。
野田氏は24日の党内人事では幹事長に総務大臣政務官や政調会長経験者の小川淳也衆院議員(53歳、衆院6期、東大法学部卒)を起用した。政調会長に自治省出身で衆院選・当選4回の重徳和彦衆院議員(53歳、米コロンビア大公共経営大学院修了)、国対委員長には文部科学副大臣経験者の笠浩史衆議院議員(59歳、衆院7期、慶応大文学部卒)を充てた。笠氏は国対委員長代理からの昇格だが、野田氏は若手育成につがなる人事を行ったのだろう。
政権奪取時に閣僚経験や専門分野に特化した見識を持つ議員を閣僚起用する必要があることから、そこも見据えた党内人事になったのではないか。選挙対策委員長は大串博志衆院議員を続投させた。総選挙が近いことから続投は正道だ。大串氏は党代表代行も兼務する。
野田氏がどのような布陣を示し、総選挙でどのような公約をし、自民党に挑戦するのか。戦いぶりを拝見したい。富裕層と経団連優先の政治に対し、中間層から日常の暮らしに窮する状況に置かれた人たちまで手を差し伸べる政治への転換はできるのか。国民がどこを選択するのか。久々にわくわく感のある総選挙になりそうだ。(編集担当:森高龍二)