衆院解散を前に、9日、党首討論が行われた。立憲民主党の野田佳彦代表(元総理)が自民党の政治とカネを巡る問題で「政治改革の原点に立って、政治資金規正法見直しの時に『企業・団体献金の禁止』からスタートするのが大事だ」と提案した。
これに、自民党の石破茂総裁は「企業団体献金はこれからも認められて良いものと思っている」などと企業団体献金を「是」とする考えを答弁。石破総裁は「政治・政策が左右されないよう、透明性がきちんと担保されるよう努力していく」と企業から献金を受けることには問題がないとの考えを明確にした。
しかし、企業献金に関して日本共産党の田村智子委員長が今年の国会質問で衆院「政治改革に関する調査特別委員会」で元最高裁長官・岡原昌男氏が発言していた内容を紹介。岡原氏は「会社の利益につながらない『献金』は『株主に対する背任』となり、見返りを要求するような『献金』は涜職(とくしょく)罪』となる恐れがある」と指摘している。
献金する企業側にも背任罪や涜職罪に触れる危険性があり、問題のない行為とはいえない。企業団体献金・パーティー券購入という形を変えた献金は政治浄化のために断つことが強く求められている。
石破自民総裁は「企業団体であっても社会の構成員である以上、いろんな政治的な考え方を持つ以上、そこからお金をいただいてはならないということにはならない」と反論。「大事なことは誰からいくらもらったか、どの企業からいくら頂いたか、それによって、政治が、政策が左右されないか、そのことを有権者の方々に見せることが必要」と述べ「企業団体献金はこれからも認められて良いものと思っている。政治・政策が左右されないよう、透明性がきちんと担保されるよう努力していく」とした。(編集担当:森高龍二)