リフォームで最も優先すべきことは何? 最先端の耐震リフォーム診断が誕生

2024年11月03日 08:50

画・「30年以内に震度7の地震が来る」半数。自宅の耐震性「わからない」3分の1。

地震大国といわれる日本。とくに近年は大規模な地震が相次ぎ、被害の規模も大きくなっている

 地震大国といわれる日本。とくに近年は大規模な地震が相次ぎ、被害の規模も大きくなっている。近い将来に発生する可能性が高いといわれている南海トラフ地震などへの警戒などから、より耐震強度の高い住宅への建て替えや、リフォームを検討している人も多いのではないだろうか。

 とはいえ、建て替えやリフォームのタイミングは難しい。家族のライフサイクルなどもあるし、現在の住まいにとくに不便を感じていなかったり、大きなトラブルが発生したりしていなければ、なかなか決断しにくいものだ。しかし、見た目にはとくに問題を感じなくても、実は建物の内部は危険な状態かもしれない。

 そんな中、アキュラホームでおなじみの総合住宅メーカーであるAQ groupのリフォームブランド「AQリフォーム」が、地盤診断の先進企業である地盤ネット株式会社(以下、地盤ネット)との共同研究で、実測値をエビデンスとした耐震リフォーム診断「匠・トリプル耐震測定」を商品化して話題になっている。同サービスは、AQ Groupの耐震診断士と地盤ネットの調査員が現場を調査し、人間では感知できない微弱な揺れを測定。約2時間のリフォーム診断と実測による耐震測定を実施したのち、耐震に必要な壁量を構造計算により算出するものだ。その後、診断を反映させた新しい図面を基に、京都大学の中川貴文准教授とAQ Groupが共同開発した「ビルの構造計算を用いたデジタル耐震シミュレーション(特許出願中)」を実施することで、施工後の耐震力チェックまでもカバーする。

 従来の耐震診断は、現地調査や設計図などの情報を基に、耐震診断士などが耐震性能を総合的に判断するのが主流。これは目視によって得た情報と耐震診断士の経験側で判断されるため、評価する担当者によって経験などの差からバラつきが生じてしまう。近年では、設計図の情報から建物の損傷や倒壊過程などを算出、視覚化してくれるデジタルシミュレーションソフトもあるが、AQリフォーム「匠・トリプル耐震測定」は、「建物の”揺れ”を科学する」というコンセプトのもと、経験豊富な耐震診断士による評価と、最新のデジタル技術を駆使した耐震シミュレーションに加え、実測を伴った耐震診断まで含まれたパッケージとなっている。さらに、報告書には具体的なリフォーム箇所や耐力壁の強度、枚数などが明記されるため、専門家でなくとも分かりやすいことも大きなポイントだ。

 このような複合的な診断サービスは珍しく、業界に先駆けた耐震リフォーム診断といえるのではないだろうか。

 住宅のリフォームの際には、間取りや外観、そしてそれに伴う予算など、様々な検討事項があるが、もしも大きな地震が発生しても安心できる暮らしは何よりも優先すべきことだ。もしも今、リフォームを考えているのなら、まずは耐震診断をしてみるところから始めてみてはいかがだろうか。(編集担当:石井綾子)