石破茂総理は29日の所信表明演説で「外交と防衛は車の両輪」と語り「厳しい安全保障上の現実を直視し、国家安全保障戦略等に基づき、我が国の防衛力の抜本的強化を着実に進めるとともに、同盟国・同志国との連携を更に深めることで、独立と平和、国民の命と平和な暮らしを守り抜く」と強調した。
石破総理はそうした中でも演説で自衛隊人員確保の厳しい現実に特に焦点を当てた。石破総理は「防衛力最大の基盤である自衛官の充足が約90パーセントにとどまっていることは極めて深刻な課題と認識している」と発言。
そのうえで「自衛隊の人的基盤の強化に向け、私を議長とする関係閣僚会議を既に3回開催し議論を重ねている。隊員の生活・勤務環境の改善等、早急に実現可能な方策は経済対策に盛り込み、若くして定年退職を迎える自衛官の新たな生涯設計を確立し、退職後も社会で活躍するための施策の方向性についても年内に結論を得、可能なものから来年度予算に盛り込む」と述べた。
また辺野古基地建設に関しては「沖縄県を含む基地負担の軽減に取組む」としたうえで「普天間飛行場の1日も早い返還を実現するため、辺野古移設が唯一の解決策との方針に基づき、着実に工事を進めていく」とした。
また「沖縄振興の経済効果を十分に域内に波及させ、実感していただけるよう沖縄経済の強化に向けて支援を継続する」とし「在日米軍施設・区域の自衛隊による共同使用を進めるとともに駐留に伴う諸問題の解決にも取組む」と語った。(編集担当:森高龍二)