村田製作所は21日、関西大学及び三井化学との共同開発により、高透明度有機圧電フィルムを用いたセンサデバイスを開発したと発表した。
この高透明度有機圧電フィルムは、関西大学システム理工学部の田實佳郎教授らの研究グループが研究を続けてきた圧電性高分子を使用したもので、(1)圧電出力定数が大きい、(2)透明度が高い(光線透過率98%以上)、(3)焦電性を持たないという特徴があり、曲げやねじりを検出することもできる。従来の圧電フィルムは圧電性を持つため、温度と変位(曲げやねじり)を分離して検知することができなかったが、この高透明度有機圧電フィルムを用いることで、熱を検知することなく、より精度の高い変位の検出が可能になった。
今回、村田製作所では、この高透明度有機圧電フィルムの特長を活かし、プレートの曲げやねじりで操作する新感覚のリモコン「リーフグリップリモコン」と、指の動きだけでなく、押圧力(どれだけ強く押したか)も検知するタッチパネル「タッチプレッシャーパッド」を試作した。スマートフォンやタブレットPC、ポータブルゲームなどをはじめとする電子機器類の、新しいユーザーインターフェースへの応用の期待が高まる。
なお、これらの試作品は、2011年10月4日から8日に千葉県幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2011」にてデモンストレーション展示が行われる予定だ。