防衛力の抜本的強化に関する有識者会議は中谷元防衛大臣に報告書を取りまとめ、22日までに提言した。防衛費について「GDP2%の指標は国家意思を示すものとして重要だ」とした。
提言では「更なる防衛力強化のために必要な対応についても、より効率的な運用やコスト削減の努力も行った上で、明確な根拠を示しながら説明していくべき」とし「その際、将来にわたり継続的な財政支出を行う場合には、それを裏付ける安定した財源の確保も必要」と言及しており、安定した財源確保を図る必要を強調した。
報告書は「抑止力・対処力の更なる強化は待ったなしの課題」とし「現在の施策を着実に実施し、更なる強化のための取組みを不断に検討すべき」としている。
また報告書は「弾薬や燃料の備蓄に関して自国内でサプライチェーンを一定期間確保することを真剣に検討する必要がある」とし「米国以外の諸国とも装備品の共同開発や装備移転を進めることでサプライチェーンを強化すべき」などとしている。
防衛装備移転に関して特に「積極的に進めるべき」などとし「いわゆる5類型といったルールが設けられているが、現実を勘案し、国民の理解を得て移転の道を広げていくことが必要」などと提言。「我が国と友好関係にあり、自由や民主主義といった価値観を有し、 他国から脅威を受けている国への装備移転については制限を設けないとする考え方も一案」とケースによって制限を取っ払って防衛装備移転の検討を促すような提言も盛り込んでいる。有識者会議座長は経団連名誉会長の榊原定征氏が務めている。(編集担当:森高龍二)