凸版、バイオマスポリエチレン使用の包装材用フィルムを日本で初開発

2011年08月11日 11:00

 バイオマスプラスチックは、植物由来の原料を用いた持続的に利用できる再生可能資源。石油などの化石資源の使用量を削減できるため、持続可能な社会形成に貢献できる。また、焼却時のCO2排出量と植物生育時のCO2吸収量がプラスマイナスゼロとみなされるため、石油由来のプラスチックに比べてCO2排出量を削減することができる、環境にやさしい材料として注目されている。

 そのような中、凸版印刷は、「地球温暖化防止」および「石油使用量削減」に向けた取り組みのひとつとして、1991年よりバイオマスプラスチックを使用した包装材料の開発・商品化に取り組んできた。さらに2000年にポリ乳酸を用いたバイオマスパッケージを開発し、家電製品の外装材で採用。以降、食品業界や服飾業界などでも多数採用されているという。

 今回同社は日本で初めて、バイオマスポリエチレン(PE)を使用した包装材用フィルムを開発。これにより日本で初めて、軟包装分野全般においてバイオマス包装材料の提供が可能になったという。ポリエチレンは、さまざまな軟包装の基盤となる素材。同製品はサトウキビ由来の原料を一部に使用し、最大で40%のバイオマス比率(重量比)を持つフィルムとなっている。

 同社は今後、同製品の開発のノウハウを活かし、バイオマスPEを他製品の包装材料として展開を図るとともに、バイオマス高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリ乳酸(PLA)、バイオマスPETなど、バイオマスプラスチック材料を用いたパッケージ開発を積極的に推進。バイオマスプラスチック製品全体で、2015年度に120億円の売上を目指す。