今回のニュースのポイント
四国電力の2026年3月期決算は、親会社株主に帰属する当期純利益が508億円となりました。伊方原発3号機の安定稼働(利用率80.5%)と燃料価格の下落が収益を下支えし、高い利益水準を確保しています。一方で来期は、原油・石炭価格の上昇や燃料費調整の期ずれ差損を慎重に見込み、純利益300億円と約4割の減益を計画 。人口減少下で家庭向け需要が前年比4.2%減少する中、次期の年間配当は5円増の55円へ増配する方針です。
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四国電力が発表した2026年3月期決算は、原発の活用度合いと資源価格の変動が経営成績に直結する地方電力会社の収益構造を改めて示しました。当期の売上高は7,618億円(前期比10.5%減)、純利益は508億円(同25.6%減)となりました。
減収減益ながら一定の利益水準を支えた最大の要因は、伊方発電所3号機の高い稼働実績です。稼働日数の増加により、原子力発電電力量は前期比5.6%増の60億kWhに達し、設備利用率は80.5%と前期の75.7%から上昇しました(いずれも送電端ベース)。これにより火力発電への依存が低下したほか、燃料価格の下落も相まって、電気事業における燃料費は前期比約25%減、購入電力料も約20%減と大幅にコストが改善しました。
一方で、地域インフラを巡る環境は厳しさを増しています。四国地方の人口減少を背景に、家庭向け「電灯」の販売電力量は前年より4.2%減少しており、地域需要の自然増は見込みづらい状況が続いています。この需要減を補うため、同社は情報通信事業を新たな収益源として強化しており、当期の同セグメント利益は112億円の利益を確保しました。
今後の焦点は、資源価格の上昇局面への対応です 。2027年3月期の業績予想について、同社は原油価格95ドル、石炭価格170ドルという高水準の前提を置き、純利益は前期比41.0%減の300億円に留まる見通しを示しました。また、燃料費調整制度の期ずれ影響が前期の差益から差損に転じることも、減益要因として織り込んでいます。
財務面では、自己資本比率が27.4%まで向上するなど健全化が進んでいます。一方で、将来の安定供給に向けた設備投資額は1,241億円と大幅な増加を計画しており、原発の安全対策や再エネ接続対応への投資負担が増しています。株主還元については、2027年3月期の年間配当を前期(50円)から5円増配し、1株当たり55円(中間27.5円・期末27.5円)とする方針です。 (編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













