住友商事決算、6000億円突破 資源とデジタルの“二本柱”で増益維持

2026年05月10日 12:13

今回のニュースのポイント

住友商事の2026年3月期決算は、親会社の所有者に帰属する当期利益が6,003億円と前期比6.8%増となりました。資源価格下落で石炭や鉄鉱石は減益となりましたが、SCSKによるネットワンシステムズのグループ化がデジタル分野の利益を押し上げ。さらに電力EPC案件の特殊利益や不動産売却、繰延税金資産の計上等の一過性要因が増益を下支えしました。来期は純利益6,300億円を計画し、配当150円へ増配。自己株買い800億円も決定しています。

本文

 住友商事が発表した2026年3月期決算(IFRS)は、資源価格の下落局面においても非資源分野が力強く利益を牽引し、同社が「資源商社」からIT・電力・都市開発を束ねる複合型商社への転換を着実に進めていることを示す内容となりました。当期の親会社の所有者に帰属する当期利益は6,003億円(前期比6.8%増)に達しました。

 増益の大きな原動力となったのは「メディア・デジタル」分野です。世界的なデジタル投資や企業のDX需要の高まりを背景に、SCSKによるネットワンシステムズのグループ化が奏功しました。ITインフラ構築からシステム開発までを一貫して手がける体制が利益拡大に貢献しています。また、海外発電事業の堅調な収益に加え、電力EPC案件での特殊利益も寄与した「エネルギートランスフォーメーション(電力)」は1,024億円と増益を確保しました。

 都市総合開発セグメントでは、国内外の不動産の資産回転(売却)や大口開発案件の引き渡しが進み、利益を押し上げました。資源ビジネスは依然として800億円規模の利益を支える主要事業でありつつ、そのキャッシュを電力や不動産、デジタル事業に振り向けることで、「資源依存度を下げた総合型ポートフォリオ」への移行を進めています。

 セグメント別利益では、資源(823億円)、エネルギートランスフォーメーション(1,024億円)、都市総合開発(815億円)、メディア・デジタル(512億円)と、資源・電力・不動産・ITの「四本柱」で稼ぐ構図が鮮明になっています。また、SCSKのグループ通算制度加入見込みに伴う繰延税金資産の計上(税効果304億円)など、全社レベルの一過性要因も利益に大きく寄与しました。

 同社は2027年3月期について、純利益6,300億円への増益を予想しています。株主還元についても積極姿勢を継続しており、配当予想を1株当たり150円に増額したほか、800億円を上限とする追加の自己株式取得も決定しました。 (編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)