今回のニュースのポイント
丸紅の2026年3月期決算は、純利益5,439億円と前期比8.1%増の増益を確保しました。不動産統合評価益765億円や食料、銅事業の収益が資源価格の一服やエネルギー事業の評価損を吸収し、高水準の利益を維持。生活・インフラ分野を強化する構造転換が進むなか、来期は純利益5,800億円を計画。配当115円への増配や、自己株買い枠を600億円へ拡大するなど還元も強化しています。
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丸紅が発表した2026年3月期決算(IFRS)は、資源価格の変動やエネルギー事業の評価損といった逆風を、不動産事業の統合評価益や食料、銅事業などの堅調な収益で補い、親会社の所有者に帰属する当期利益が5,439億円(前期比8.1%増)となりました。
今期の増益を牽引したのは「金融・リース・不動産」セグメントです。第一生命ホールディングス(現、第一ライフグループ)との国内不動産事業の統合に伴う評価益765億円(税後)を計上したほか、北米の貨車リース事業売却益や航空機リース事業の増益が寄与し、同セグメントの利益は1,620億円と前期から約1,029億円の大幅増となりました。
「食料・アグリ」セグメントも815億円(前期比125億円増)と好調でした。国内鶏肉事業や海外インスタントコーヒー事業、米国肥料卸売事業などが利益を積み上げ、安定した収益基盤としての存在感を示しています。電力・インフラサービスでは、電力卸売・小売事業の減益や地熱発電事業の減損の影響で当期利益は536億円と前期比減少となったものの、引き続きインフラ収益の柱としてポートフォリオの一角を占めています。
金属事業においても、豪州の石炭・鉄鉱石は価格下落で減益となりましたが、チリ銅事業が価格上昇により増益となり、セグメント全体を支えました。一方で「転換期の痛み」も見られます。前期にカタールLNG事業終了に伴う為替換算調整勘定の実現益457億円(税後)を計上していた反動もあり、エネルギー・化学品セグメントの当期利益は232億円と前期比630億円減の水準にとどまりました。
石炭・鉄鉱石など資源ビジネスは引き続き大きな利益源である一方、そのキャッシュを不動産や食料、電力といった生活インフラ領域に再投資することで、丸紅は「資源偏重」からのポートフォリオ高度化を進めています。2027年3月期についても、純利益5,800億円への増益を見込んでいます。株主還元についても累進配当を継続し、自己株式の取得枠を従来の150億円から600億円へと一拡大するなど、株主還元強化の方針を示しています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













