宇部興産、「次世代宇宙システム技術研究組合」に加入

2011年08月03日 11:00

 宇部興産は2日、航空宇宙材料事業を推進する一環として「次世代宇宙システム技術研究組合」に加入し、同組合が進めている超小型衛星システムの研究開発プロジェクトに参画することを発表した。

 「次世代宇宙システム技術研究組合」は、内閣府の「最先端研究開発支援プログラム」である、東京大学中須賀真一教授による「日本発『ほどよし信頼性工学』を導入した超小型衛星による新しい宇宙開発・利用パラダイムの構築」を実施・推進するために設立されたものだ。東京大学超小型衛星戦略研究センターとの連携によって、1機50kg程度で低コストかつ短期開発可能な超小型衛星システムを実現することで、宇宙利用の飛躍的な拡大を図り新たな宇宙産業を創出することを目指している。

 宇部興産は、小惑星探査衛星「はやぶさ」にも採用されたポリイミド熱制御フィルムや特殊セラミック材料のほか、ポリイミド複合材料や発泡ポリイミドなどの先端材料を航空宇宙市場向けに開発している実績がある。これらの先端材料技術が超小型衛星の軽量化・高機能化に活かせることや、衛星の開発を通して新たな先端材料技術の研究開発が見込めることなどから、同技術研究組合に加入することとなった。今後は、超小型衛星システムの実現に向けて太陽電池パドル用の軽量パネルや固体蓄熱材料、薄膜熱制御デバイス、新規断熱ブランケット、更にはリチウムイオン二次電池材料などの開発を推進し、新規事業の一環として将来の超小型衛星システム事業や超小型衛星利用事業への参入なども視野に入れる。