2009年の国内の市場が2000年比73%増の1710億円(矢野経済研究所調査)となるなど、現在、コンタクトレンズ(以下:CL)は人々の生活に必要不可欠なものとなっている。そんな中、ロート製薬が実施したアンケートによって、主流であるソフトコンタクトレンズ(以下:SCL)を装用している人の83.3%(n=969)が装用中に「目の疲れを感じる」と回答するなど、裸眼の人や眼鏡を使用している人と同様に、CLを装用している人の「目の疲れ」が深刻な悩みとなっている。
「目の疲れ」の原因としては、CLの装用や乾燥した環境に起因する「目の乾き」だけでなく、PCや携帯の画面を頻繁に見ることなどに起因する「ピント調節筋の疲労」が考えられる。
しかし、SCLは、それ自体に水分を含んでいるため、目薬の成分によってはレンズに吸着して影響を及ぼす可能性があるため、SCL対応の目薬にはミネラル成分やアミノ酸類以外の有効成分を配合することが難しい。これまでは、ピント調節筋の疲労に効果を発揮し、かつCLをしたまま点眼できる疲れ目用目薬は市場になく、CLを外して点眼するか、目の乾きに対処する「涙液型点眼薬」を使用するかによって対処するしかなかった。
そんな中、ロート製薬は日本で初めてとなるピント調節機能改善剤「ネオスチグミンメチル硫酸塩」を配合したSCL対応目薬を開発。「ロート アイストレッチ コンタクト」として7月11日に発売した。「ネオスチグミンメチル硫酸塩」は、目の調節神経系に直接作用することでピント調節筋の緊張・弛緩の運動をスムーズにし、目がこったように感じたり、目が重く感じる疲れ目の症状の改善に効果を発揮する。同社は、有効成分と添加物の無数の組み合わせの中から効果と安全性を両立する処方を開発。各種試験によってCLに影響を与えないことを確認し、厚生労働省からの承認を得た。
「ロート アイストレッチ コンタクト」は、SCLを含むすべてのCLの装用中に使用することができる。この製品の登場によって、CL装用者もこれまで以上に積極的にピント調節筋の疲労による疲れ目に対処することができそうだ。