国会は6日再開も、波乱含み

2011年07月06日 11:00

 被災地での発言をめぐり、相次ぎ物議を醸した松本龍東日本大震災復興対策担当大臣兼防災担当大臣が5日午前8時45分に菅直人総理を訪ね、辞表を提出。総理は松本氏の辞意が固いため、これを受理した。これにより日本再生に向けての司令塔が6月27日の就任から、わずか9日間で席を投げ出す事態になった。菅総理は混乱をさけるため「できるだけ早く後任を決めたい」(枝野幸男官房長官)として、同日、平野達男内閣府副大臣(57歳)を就任させる人事を決めたが、6日の衆議院予算委員会冒頭から、総理の松本氏に対する任命責任など、野党側からの追及は必至で、本来、審議されるべき案件が先送りにならないか、危惧されている。

 松本氏が辞職に追いやられたきっかけは、松本氏が宮城県入りし、村井嘉浩知事と会談した際に数分間待たされたことに「お客さんが来るときは自分が入ってから呼べ」と分刻みで動かなければならない大臣(自身)への配慮を求めた発言や「知恵を出さないやつは助けない」と復興に向けて一層の努力を求めた発言に対し、逆に配慮がないと批判が相次いだ。

 枝野官房長官は、松本氏が国務大臣を辞職したことに「大変残念な事態」と語り、辞職理由として、被災者の心情を傷つけることになった、国会運営からも内閣に迷惑をかける、スピード感を持って進めなければならない案件にマイナスになりかねない、などが理由と報告を受けている、とした。

 その上で、枝野官房長官は特例公債法はじめ、いくつか、最低限度果たさねばならない責任は変わっていないとして、被災地復興へ、松本氏辞職の影響を最小限に抑えたい考えを示した。
(編集担当:福角忠夫)