三菱樹脂、防災スプリンクラー設備用配管システムを開発、販売

2011年06月29日 11:00

 三菱樹脂は、マンションなどの共同住宅向けに、架橋ポリエチレン管を使用するヘッダー式の防災スプリンクラー設備用配管システムを開発し、6月28日から販売を開始する。

 防災意識の高まりとともに、スプリンクラー設備の設置義務付けが強化されており、2007年の消防法改正では、グループホームなどの小規模福祉施設向けも規制の対象となっている。それに伴い、飲料用の給水管とスプリンクラー用配管を直結することが可能になったことから、同社は、スプリンクラー側の停滞水が飲料水に逆流することを防ぐための樹脂製の透明停滞水防止継手を昨年11月に業界で初めて商品化。耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管などと組み合わせ、小規模福祉向け配管部材として拡販を図ってきたという。

 この小規模福祉施設向け配管部材に加え、今般、マンションなどの共同住宅向けの湿式スプリンクラー設備用配管を開発し、財団法人日本消防設備安全センターの認定を取得したことから、6月28日よりその販売を開始。従来の共同住宅向けスプリンクラー設備は主に金属管が使われているが、同社が提案する架橋ポリエチレ管を使用した配管システムは、工場で配管を組み上げるプレハブ工法が可能なため、配管の品質安定化と現場施工の省力化が図れ、コスト面にも優れている。なお、同システム向けに同社独自で開発したヘッド継手は、単層架橋ポリエチレン管と電気融着による接合が可能であるという。

 同社は、配管パイプから継手、消火水槽までの全ての配管部材を品揃えしている強みに加え、販社の株式会社三菱樹脂販売の全国を網羅する販売力を活かし、共同住宅や小規模社会福祉施設の物件受注に向けた営業活動を展開。市場の伸長が期待できるこの防災スプリンクラー設備分野において、来年度2億円の売上高を目標と掲げている。