Lambda、オクラホマ州にAIデータセンター新設へ 電力費100%負担、建設雇用最大1000人

2026年09月28日 06:05

データセンター・電力イメージ

AIデータセンターの大規模化に伴い、電力料金や送配電設備など地域インフラの費用負担も重要な論点となっている。Lambdaのオクラホマ州での新設計画では、エネルギー費用と電力供給に必要な初期インフラ費用を事業者側が負担する。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

AIクラウド基盤を手掛ける米Lambdaは9月27日、オクラホマ州メイズ郡のMidAmerica Industrial Park内に新たなデータセンターを建設する計画を発表しました。建設時に最大1000人、稼働後の恒久的な雇用として最大100人を創出する見込みで、現在の税率を前提とした今後10年間の納税額は推定5億ドルとしています。今回の計画で注目されるのは、データセンターの電力・インフラ負担をめぐる制度的対応です。Lambdaは州法に従いエネルギー費用の100%を自社で負担するほか、電力事業者側も設備供給に伴う初期インフラ費用をLambdaが負担し、既存の一般電力利用者へ転嫁しない構造を明示しています。

本文
 AI専用クラウド基盤を提供する米Lambdaは9月27日、オクラホマ州北東部メイズ郡に位置する「MidAmerica Industrial Park」の南部に、新たなAIデータセンター施設を建設すると発表しました。プロジェクトの推進に伴い、建設段階で最大1000人、完成後の恒久的な雇用として最大100人の雇用創出が見込まれています。また同社は、現在の税率構造に基づき、施設運用を通じて今後10年間に地元自治体などへ支払う税金が推定5億ドルに上るとしています。なお、今回の公表において総投資額や施設の電力容量(メガワット数)、搭載するGPUの具体的な数量、建設工程および稼働開始の時期などは明らかにされておらず、同社は今後の事業進展に合わせて追加の経済効果や工程を公表する方針です。

 生成AIの普及に伴いデータセンター建設が進むなか、大規模施設が消費する電力やその供給に必要なインフラ費用をだれが負担するかは重要な課題となっています。今回のプロジェクトにおいてLambdaは、オクラホマ州の「Data Center Customer Ratepayer Protection Act」に準拠し、施設運営に必要な資源やインフラに自ら責任を負い、消費するエネルギー費用を100%負担することを明示しました。さらに同社は、米政府が主導する「Ratepayer Protection Pledge(電力利用者保護誓約)」にも署名しています。

 これに関連し、同施設へ電力を供給する地元公営電力事業者のGrand River Dam Authority(GRDA)は、今回のデータセンタープロジェクトへの電力供給に必要となる初期インフラ費用をLambdaが負担し、他のGRDA顧客には転嫁しないとしています。施設が使用する電力料金に加え、電力供給に必要となる初期インフラ費用についても事業者側が負担し、既存の電力利用者への転嫁を避ける仕組みが確保されています。

 さらに今回の施設計画では、電力供給を受ける側が電力網の負荷状況に合わせて柔軟に対応する設計が組み込まれています。Lambdaは、地域全体の電力需要がピークに達する時間帯において、施設内の計算負荷を別の時間帯へ移動させたり、一時的に計算処理を削減したりできる柔軟な電力網利用者としてプロジェクトを設計するとしています。大量の電力を消費するだけでなく、電力系統の需給状況に応じてAIの計算負荷を調整する運用手法を取り入れます。

 また、冷却システムに伴う水資源の消費に関しても配慮がなされています。新施設には水を循環させて使用する閉ループ冷却技術が導入される予定です。Lambdaは、従来型のデータセンター冷却と比較して、水使用量を大幅に削減できるとしています。

 立地先となるMidAmerica Industrial Parkは約9000エーカー(約36平方キロメートル)の敷地を持つ広大な工業団地であり、すでにGoogleの大規模データセンターをはじめ80社を超える企業が拠点を置いています。MidAmericaとGRDAは、Cloverleaf Infrastructureと連携してLambdaによる開発に向けた用地整備を進めています。

 生成AIの普及に伴ってデータセンター建設が進むなか、大規模施設が必要とする電力や水、電力供給設備などを誰が負担し、立地地域のインフラとどう両立させるかも重要な論点となります。今回のLambdaの計画では、企業側がエネルギー費用と電力供給に必要な初期インフラ費用を負担し、ピーク時には計算負荷を移動・削減できる施設設計を取り入れます。AIインフラの新設を、施設規模だけでなく地域の電力・水インフラとの関係から考える一例となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)