AIデータセンターを「90%超プレハブ化」 マカオで40MW、1ラック500kW対応を計画

2026年09月26日 17:08

マカオ

工場で設備を組み込んだデータセンターモジュールを製造し、現地で組み立てるプレハブ方式のイメージ。Brightray Scienceはマカオで計画中のAIデータセンター向けに、FPDの工場プレハブ率を90%超とし、最大500kW/ラックや液冷に対応する設計を示している。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

データセンター基盤を手掛けるBrightray Scienceは9月25日、マカオ・コロアンで計画されているAIデータセンタープロジェクト向けに、完全プレハブ型データセンター(FPD)モジュールの供給に関する枠組み契約を締結したと発表しました。IT容量約40MW、敷地面積約9,000平方メートルに最大5階建ての施設を計画し、FPDの工場プレハブ率を90%超とする設計を採用します。1ラック当たり最大500kWの高密度電力や液冷システムに対応し、PUE(電力使用効率)は平均1.35未満を設計目標としています。

本文
 データセンターインフラ企業のBrightray Science(ブライトレイ・サイエンス)は9月25日、同社子会社のBrightray Veridianが、マカオ・コロアン地区で計画中のAIデータセンター案件に対し、完全プレハブ型データセンター(FPD)モジュールを納入するための販売枠組み契約をプロジェクト開発者と締結したと発表しました。

 計画されているデータセンターは、IT容量約40MW(メガワット)規模です。約9,000平方メートルの敷地に最大5階建てとし、限られた敷地を立体的に活用する設計となっています。

 今回の計画における最大の特徴は、FPDの工場プレハブ率を90%超とするモジュール方式の導入です。建築構造や外装にとどまらず、機械・電気・配管(MEP)設備、冷却インフラ、ITラックに至るまでを工場側で組み上げた上で現地へ輸送・設置します。同社は同等クラスの従来型データセンターと比較して、30%超の建設効率向上を実現する設計としています。ただし、この30%超という数値は実際の施工実績ではなく、同社が示している設計段階での想定値です。

 高密度な計算処理を行うAIデータセンターでは、高出力化に伴う発熱対策や電力供給が課題となります。同計画では、1ラック当たりの電力密度として10kWから最大500kWにまで対応可能な構造とし、空冷方式に加え、AIサーバー向けの高効率な液冷方式や両者を組み合わせたハイブリッド冷却に対応する設計となっています。環境効率の指標であるPUE(Power Usage Effectiveness)については、フルIT負荷時において年平均1.35未満を目標値として掲げています。

 一方で、今回の発表は事業の「確定・着工」を示すものではありません。締結されたのはモジュール供給に関する枠組み契約であり、現時点で発注や供給の法的な義務は発生していません。正式な販売契約の交渉に進むには、Brightray Veridianによるテナント確保と、プロジェクト開発者による当該テナントとの法的拘束力のあるリース契約締結が前提条件となります。

 また、これらの条件が2027年9月30日までに充足されない場合、今回の枠組み契約は自動的に失効します。現行計画では2027年第3四半期の引き渡しを見込んでいますが、最終的な施設規模や設備スペック、スケジュールについても、今後のテナント要件や電力供給網、土地開発にかかる規制当局の承認状況によって変更される可能性があります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)