Vertiv、欧州の液冷管理会社を買収へ AIデータセンターの試運転・負荷試験を強化

2026年09月26日 12:06

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企業の会議室のイメージ。Vertivは、液冷システムの流体管理や試運転、負荷試験などを手掛けるアイルランドのKing Environmental Services(KES)を買収する契約を締結し、EMEA地域での対応能力を拡充する。(画像は資料写真)

今回のニュースのポイント

データセンター向け電力・冷却インフラ大手のVertivは9月24日、アイルランドのKing Environmental Services(KES)を買収する契約を締結したと発表しました。KESは高密度・液冷データセンターを対象に、冷却液系統の洗浄、ろ過、水処理、試運転、性能検証、熱・電気負荷試験などの流体管理サービスを手掛けます。AIやHPC(高性能計算)の普及に伴うラック当たりの高密度化を受け、Vertivは液冷設備そのものにとどまらず、その安定稼働や立ち上げを支える流体管理能力をEMEA(欧州・中東・アフリカ)地域で拡充します。

本文
 データセンター向け電力管理および冷却インフラソリューションを手掛ける米Vertiv(バーティブ)は9月24日、アイルランドの流体管理サービス企業King Environmental Services(KES)を買収することで最終合意に達したと発表しました。通常の取引完了条件などを経て、2026年第4四半期における買収完了を見込んでいます。

 AI(人工知能)やHPC(高性能計算)の拡大に伴い、データセンターでは計算密度や発熱密度が高まり、液冷システムの導入が加速しています。Vertivによると、冷却液の汚染や空気混入、腐食、不適切な化学組成、流量の不均衡などは熱交換効率を低下させ、機器の劣化や試運転・運用時のリスクにつながる可能性があります。

 今回買収するKESは、アイルランドのダブリン近郊に本社を置き、北ダブリンとフランクフルトを主要拠点としてEMEA地域のデータセンター事業者にサービスを提供しています。同社は、液冷システムに対する設計レビューや実現可能性調査、システムの準備作業、フラッシング(洗浄)、ろ過、水処理、試運転(コミッショニング)、性能検証、さらには大規模な熱負荷・電気負荷試験まで包括的な流体管理サービスを手掛けています。

 Vertivは2025年12月に北米で同様の流体管理サービスを手掛けるPurgeRiteを買収しており、北米で構築した流体管理サービスの基盤に続き、EMEA地域でも流体管理や負荷試験などの対応能力を拡充します。これにより、液冷システムの準備から試運転、性能検証、運用・保守段階までを支える流体管理能力をグループ全体で補強します。

 なお、今回の買収金額は非公表となっています。Vertivは本取引について、自社の財務結果に重要な影響を与える規模ではないとしています。

 AIインフラの高密度化に伴い、計算設備だけでなく、冷却システムを正常な状態で立ち上げ、その性能を検証し、運用段階で維持する専門サービスも重要性を増しています。VertivはKESの買収を通じ、液冷ハードウェアの供給にとどまらず、流体管理や検証サービスの能力を欧州等で広げる動きとなります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)