政府、景気判断「緩やかに回復」据え置き 生産は「持ち直し」へ上方修正

2026年09月29日 16:18

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首相官邸。内閣府は9月の月例経済報告で、国内景気の基調判断を「緩やかに回復している」と据え置く一方、生産判断を「持ち直し」へ引き上げた(画像は資料写真)

今回のニュースのポイント

内閣府は9月29日、9月の月例経済報告を公表し、国内景気について「緩やかに回復しているが、中東情勢や自然災害の影響を注視する必要がある」との基調判断を据え置きました。個別項目では、生産を8月の「横ばいとなっている」から「総じてみれば持ち直しの動きがみられる」へ上方修正。一方、貿易・サービス収支は「おおむね均衡」から「赤字」に変更しました。公共投資についても「堅調」から「底堅く推移」に表現を改めています。

本文
 内閣府は9月29日公表した9月の月例経済報告において、国内景気の総括判断を「緩やかに回復しているが、中東情勢や自然災害の影響を注視する必要がある」とし、前月の判断を維持しました。先行きについても、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果による緩やかな回復への期待を示す一方、中東情勢や自然災害の影響、金融資本市場の変動などをリスク要因として挙げ、注視が必要との姿勢を継続しています。

 今回の報告における主要な変更点として、個別項目である生産判断の引き上げが挙げられます。8月時点の「横ばいとなっている」から、9月は「総じてみれば持ち直しの動きがみられる」へと表現が上方修正されました。直近の7月鉱工業生産指数は前月比0.2%減となった一方、製造工業生産予測調査では8月が同6.4%増、9月が同4.2%減の見込みとなっています。業種別では輸送機械を「持ち直しの動きがみられる」、生産用機械を「このところ持ち直している」とする一方、電子部品・デバイスについては「このところ持ち直しに足踏みがみられる」としています。

 一方、貿易・サービス収支の判断は前月の「おおむね均衡している」から「赤字となっている」に変更されました。指標面では、7月の貿易収支は輸出金額の増加が輸入金額の増加を上回ったことで赤字幅が縮小し、サービス収支も赤字幅が縮小しました。なお、輸出自体の判断は「持ち直しの動きがみられる」、輸入は「おおむね横ばい」と、いずれも前月までの評価が維持されています。

 公共投資については、前月の「堅調に推移している」から「底堅く推移している」へと表現が改められました。指標面では、7月の公共工事出来高が前月比0.0%減、8月の公共工事請負金額が同3.9%減、7月の公共工事受注額が同18.0%減となっています。

 このほか、主要な個別項目は前月の判断が据え置かれました。個人消費は「持ち直しの動きがみられる」、設備投資は「持ち直している」、企業収益は「改善しているが、中東情勢の影響を注視する必要がある」、雇用情勢は「改善の動きがみられる」とそれぞれ評価を継続。物価動向についても、国内企業物価は「このところ上昇テンポが鈍化」、消費者物価は「緩やかに上昇」との見方を維持しています。なお、補足指標となる4~6月期の法人企業統計では、全産業の経常利益が前年同期比24.6%増(製造業57.0%増、非製造業9.8%増)となっていました。

 政策対応を巡っては、7月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2026」に基づき、「責任ある積極財政」の下で「強い経済」と「財政の持続可能性」を一体的に実現する姿勢を再確認しました。金融政策に関しては、日本銀行が9月18日の金融政策決定会合において無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.25%程度で推移するよう促すことを決定した事実が新たに明記されています。

 9月の月例経済報告は、景気の基調判断や主要な需要項目の評価を維持する一方、生産の判断を引き上げ、貿易・サービス収支や公共投資の記述を実態に合わせて変更する構成となりました。雇用・所得環境の改善による底堅さが期待される一方で、中東情勢や自然災害、金融資本市場の変動の影響を引き続き注視する姿勢を示しています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)