今回のニュースのポイント
国土交通省が公表した最新の月例経済データによると、建設と物流の現場では分野ごとの動きに違いが表れています。建設分野では「公共機関」の受注や住宅着工が前年同月を上回る一方、「民間等」の受注は前年同月を下回りました。物流分野ではトラックなどの貨物輸送量が伸び悩む一方、宅配便や国際航空貨物、海上貨物(価額ベース)などで堅調な動きが確認できます。
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企業の設備投資や物品の移動など、産業活動の「骨格」を支えるのが建設と物流です。国土交通省が取りまとめた最新の「国土交通月例経済」のデータからは、建設受注の構造や物流ルートの変化を通じ、日本経済の現場で起きている最新の動向が浮かび上がります。
まず、建設の動向を示す「元請受注高」(2026年5月)は5兆7,059億円(前年同月比3.2%減)となりました。
発注者別で見ると、「公共機関」からの受注は1兆3,995億円(同3.3%増)と前年同月を上回りました。これに対し、「民間等」からの受注は4兆3,064億円(同5.1%減)となりました。建設コストが高い水準で推移する中、民間等からの受注は前年同月を下回っています。一方、「下請受注高」は3兆7,848億円(同26.4%増)と大幅に増加しており、元請受注とは異なる動きとなりました。
住宅の動向を示す「新設住宅着工戸数」は、5月は57,877戸(前年同月比33.9%増)となりました。持家(31.8%増)や貸家(33.3%増)、分譲住宅(39.2%増)が揃って増加しています。前年同月からは大幅に増加しましたが、前年の反動もあるため、今後の推移を見極める必要があります。
一方、モノの動きを示す「物流」の現場では、需要の質による違いがみられます。
「貨物営業用自動車」の輸送量(4月)は2億200万トン(前年同月比3.4%減)となり、トラックを利用した貨物輸送には伸び悩みがみられました。一方、大手3社の「宅配便取扱個数」は4億255万個(同6.8%増)となり、前年同月を上回りました。電子商取引の拡大などと関係の深い宅配分野では、堅調な動きが続いています。また、高速道路の大型車通行台数(4月)も3,589万台(同3.4%増)と前年同月を上回りました。
国境をまたぐ「国際物流」では、航空と海運でそれぞれ異なる動きとなっています。
5月の「国際線航空貨物輸送量」は15.0万トン(前年同月比7.8%増)となり、価額ベースでも輸出が前年同月比24.8%増、輸入が同32.4%増と大幅に増加しました。海運では、4月の外貿コンテナ輸送量が輸出で7.9%減、輸入で1.1%増となり、5月の国際海上貨物(価額ベース)は輸出が12.6%増、輸入が5.0%増となっています。航空貨物は重量、価額の双方で増加した一方、海運は輸出入や数量・価額によって動きが分かれました。
建設では公共と民間、物流では一般貨物と宅配便、国内輸送と国際物流で動きが分かれています。こうした違いは、需要や企業活動が一様ではなく、分野ごとに異なる局面にあることを示しています。資材高や人手不足が続く中、建設投資や貨物輸送が今後どのように推移するかは、景気の先行きを考える上で重要な材料となりそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













