コンテンツ支援、27年度概算要求2500億円超 経団連が一元的な専門機関を提言

2026年09月30日 12:16

今回のニュースのポイント

経団連は29日、アニメや映画などのコンテンツ産業支援を巡り、省庁横断で施策を一元的に執行する専門機関の早期設置を求める緊急提言を公表しました。政府は2026年7月閣議決定の「日本成長戦略」に一気通貫の支援体制構築を明記し、2025年度補正と2026年度当初の関連予算を約590億円に倍増させたほか、2027年度概算要求では関係省庁が連携し2,500億円を超える当初予算を要求しています。政府が掲げる2033年の海外売上高20兆円目標に向け、支援予算の拡大に対応した政策執行体制の再編を求めた形です。

本文
 日本経済団体連合会(経団連)は29日、アニメや映画、ゲームなどを含むコンテンツ産業への支援について、関係省庁の施策を一元的に執行する専門機関を早期に設置するよう政府に求める緊急提言をまとめました。政府によるコンテンツ関連支援が拡大し、2027年度概算要求では関係省庁の連携により2,500億円を超える当初予算が要求されるなか、市場戦略の策定から具体的な支援施策の実行までを一気通貫で担う体制の整備を要求しています。

 経団連は、日本のコンテンツ産業について海外売上高が半導体産業を上回る規模に達しているとし、「世界市場におけるプレゼンスを高め、外貨を稼ぐ基幹産業」と位置付けています。そのうえで、この成長モメンタムを一層加速させ、持続的なものとするためには、コンテンツ政策のさらなる強化・拡充が必要だとしています。

 政府側も産業界が参画する「コンテンツ産業官民協議会」を設置し、2026年7月21日に閣議決定した「日本成長戦略」において一気通貫の支援体制構築を打ち出しています。関連予算についても、2025年度補正予算と2026年度当初予算を合わせたコンテンツ関連予算は約590億円へと倍増しました。さらに経団連の説明によると、2027年度概算要求では関係省庁が連携し、2,500億円を超える当初予算を要求するなど、官主導による支援規模の拡充が進んでいます。

 こうした予算拡大を受け、経団連が設置を提言した新たな専門機関は以下の3つの役割を一体的に担うものとしています。

1.分野別・地域別の詳細な市場分析に基づく戦略策定

2.海賊版対策や海外展開支援など、個別企業単独では対応が困難な協調領域におけるサービスの提供

3.関係省庁の予算・施策の全体最適化と支援施策の一元的な執行

 提言では、人材育成から制作支援、海外展開、IP(知的財産)経済圏の形成までを重複なく一貫して支援する仕組みの重要性を強調しています。海外の事例として、韓国の「韓国コンテンツ振興院(KOCCA)」や「韓国映画振興委員会(KOFIC)」のように、司令塔組織の下で専門人材を十分配置し、直接的な支援を行う専門機関を日本にも設置するよう求めています。

 政府は2033年にコンテンツ産業の海外売上高を20兆円に引き上げる目標を掲げています。経団連はこの目標を実現するためには、戦略の策定から現場での具体的な支援策実行までを戦略的かつ継続的に遂行する実施機関が不可欠であると分析しています。

 経済界としても事業構造改革に取り組むとともに、新たな支援機関を最大限に活用して海外展開に向けた成長投資を拡大する方針を示しています。政府による支援予算が拡大するなか、経団連は予算規模の拡充に加え、複数省庁にまたがる支援施策を一元的かつ機動的に執行する体制の早期整備を求めています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)