日本版DOGE、基金・補助金見直しへ 来年度末の基金残高7兆円見込み

2026年10月03日 07:09

財務省正面

日本版DOGEの取り組みを強化し、租税特別措置や補助金の見直し、基金の資金活用の効率化を進める財務省。基金は約200あり、2027年度末の予想残高は約7兆円と見込まれている。(画像は資料写真)

今回のニュースのポイント

片山財務相は10月2日の閣議後記者会見で、日本版DOGE(政府効率化)の取り組みを強化し、租税特別措置や補助金の見直しを進めるとともに、基金についても資金活用の効率化を図る方針を示しました。10月9日に関係閣僚等・副大臣会議を開催し、具体策を提示する予定です。片山財務相によると、基金は約200あり、2027年度末(2028年3月末)時点の予想残高は約7兆円に上ります。現時点では、どの基金をいくら見直すといった具体的な目標額は設定しておらず、複数年度にわたる事業の予見可能性を確保しつつ、長期滞留資金の防止などを考慮した国庫返納のルールを具体化します。財務省の令和9年度概算要求に向けた政策体系でも「重点的な予算配分を通じた財政の効率化・質的改善の推進」が掲げられており、施策の優先順位を洗い直し、資金活用の効率化や政策投資効果の最大化を図る取り組みとして進められます。

本文
 片山財務相は10月2日の閣議後記者会見で、租税特別措置や補助金などの点検・見直しを進める日本版DOGEの取り組みについて、今後目に見える形で強化し深掘りしていく方針を表明しました。前日10月1日に高市総理へ具体的な進め方を説明し、了解を得たとしています。政府は10月9日に「租税特別措置・補助金見直しに関する関係閣僚等及び副大臣会議」を開催し、具体的な取り組みの方向性を示す方針です。

 今回の見直しでは、今後の予算編成および税制改正プロセスを通じて各府省庁間で共通認識を形成し、政策の優先順位を洗い直して大胆に重点化を進めます。主な着眼点として、政策目的に照らした重複の排除、技術を社会実装するための事業の整理・統合、資金活用の効率化、および政策投資効果の最大化などが挙げられています。

 基金について、片山財務相は現在約200あり、2027年度末(2028年3月末)時点での予想残高が合計約7兆円規模に達するとの見通しを明らかにしました。ただし、現時点では、どの基金をいくら見直すといった具体的な目標額は設定されていません。

 手法としては、複数年度にわたる予算措置を適切に組み合わせることで必要な事業の予見可能性を維持する一方、基金については、行政改革推進会議での決定を踏まえ、長期滞留資金の防止や機会費用の軽減を考慮した国庫返納の仕組みについて一定のルールを整備します。こうした仕組みを具体化し、予算編成過程で資金活用の効率化などを進める考えです。

 こうした取り組みは、財務省が掲げる中長期の財政運営の方向性とも並行しています。財務省の令和9年度概算要求に向けた政策評価調書(政策体系図)において、「健全な財政の確保」に向けた政策目標として「重点的な予算配分を通じた財政の効率化・質的改善の推進」が掲げられています。同じ「健全な財政の確保」の政策体系には、予算執行の透明性向上・適正な予算執行の確保や、公正で効率的かつ透明な財政・会計制度の構築なども掲げられています。

 政府内では、複数年度にわたる公的支援枠組みの導入など、成長分野への計画的な投資拡大(成長投資)の方針が打ち出される一方で、租税特別措置や補助金の点検・見直し、基金などからの歳入確保に向けた取り組みも並行して進められています。成長投資の強化を図りつつ、既存支出の見直しや基金の資金活用の効率化をどのように同じ予算編成の中で進めていくかが政策上の課題となります。

 10月9日の関係閣僚等・副大臣会議を皮切りに、今後は各府省庁との本格的な調整や予算編成、税制改正の作業へと移行します。基金や補助金、租税特別措置について、どのような見直しの方向性が示され、今後の予算編成や税制改正にどう反映されるかが注視されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)