白鶴とアサヒ、限定商品を次の開発へ 「誰が評価するか」に異なる手法

2026年10月03日 18:52

GIN

白鶴酒造が273本限定で発売した「Lab. SeeD GIN_02」。研究室で生まれたアイデアやレシピを少量商品として市場に出し、ジンに詳しい有識者から評価を集め、高評価のレシピは「白風」シリーズの次の商品候補として採用を検討する(画像出典:白鶴酒造)

今回のニュースのポイント

限定商品を次の商品開発にどうつなげるか。白鶴酒造とアサヒビールは、いずれも試験的な商品を市場に出し、外部から得た評価を次の商品展開に生かす取り組みを進めています。一方、その評価を誰から集めるかには違いがあります。白鶴酒造は研究室発の「Lab. SeeD」で、バーや蒸留酒専門店、品評会の審査員などジンに詳しい有識者から評価を収集。高い評価を得たレシピはクラフトジン「白風」シリーズへの採用を検討します。これに対し、アサヒビールの「アサヒ空想開発局」は一般消費者へのテスト販売を通じて購入者の反応を集め、商品開発や市場展開につなげています。

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 白鶴酒造とアサヒビールは、どちらも試験的な限定商品を販売し、その評価を次の商品開発につなげる取り組みを進めています。同じように見える2つの取り組みは、商品を市場に出した後の評価や検証方法が異なります。

 白鶴酒造は10月3日、研究室発のアイデアやレシピを商品化する「Lab. SeeD」の第2弾となるクラフトジン「Lab. SeeD GIN_02」を273本限定で発売しました。

 「Lab. SeeD」は、研究室で生まれた、まだ商品になっていないアイデアやレシピを「小さな種(Seed)」として形にするブランドです。限定商品として市場に出すだけでなく、外部から評価を集め、その結果を次の商品候補の検討につなげる仕組みを設けています。
第2弾の「Lab. SeeD GIN_02」は、本社敷地内の「神戸御影蒸溜所」で製造。容量は200ml、参考小売価格は1650円(税込)で、273本を限定販売します。ジュニパーベリーのほか、ダージリンの紅茶葉、ラベンダーフラワー、アンジェリカルート、ブラックペッパー、カルダモンシードの計6種類のボタニカルを使用しています。

 2026年4月に発売した第1弾「Lab. SeeD GIN_01」は、白鶴酒造資料館で約2週間で完売しました。第2弾の発売に合わせ、「GIN_01」も10月3日から追加販売します。第2弾では紅茶とラベンダーをキー素材とし、第1弾とは異なる素材で神戸の異国情緒を表現しています。

 白鶴酒造の取り組みで特徴的なのが、限定販売後の評価方法です。「Lab. SeeD」では、バーや蒸留酒専門店、品評会の審査員など、ジンに詳しい有識者から意見を収集しています。商品そのものの評価に加え、「白風シリーズとして展開された場合に取り扱いたいと思うか」という観点からも意見を集めています。

 こうして高い評価を得たレシピについては、同社が展開する「KOBE HERBAL GIN 白風 #01」「同 #02」に続く商品の候補として採用を検討します。研究室で生まれたレシピを少量の商品として市場に出し、外部評価を得たうえで、既存ブランドの次の商品候補につなげる流れです。

 限定商品を次の商品開発につなげる取り組みは、酒類業界の別の企業にもみられます。ただし、評価の集め方は同じではありません。

 アサヒビールの「アサヒ空想開発局」では、試験的に開発した商品を期間・数量限定でテスト販売し、購入者へのアンケートやインタビューを実施しています。そこで得た意見やフィードバックを、その後の商品開発や市場展開に活用する仕組みです。

 この仕組みを経て市場展開を広げた商品もあります。2025年9月に「アサヒ空想開発局」で数量限定販売した「アサヒ EGA BEER」は、その後、2026年6月に全国で数量限定発売されました。「アサヒスパイスビール」や「アサヒ ザ・ビタリスト」についても、テスト販売時の評価や利用者からの声を踏まえ、販路拡大や通年商品化につながった事例があります。

 両社に共通するのは、限定商品を単発の商品として終わらせず、商品を市場に出した後に外部から評価を集め、その結果を次の商品開発や展開につなげている点です。一方、そのために「誰の評価を取り入れるか」には違いがあります。アサヒビールが実際に商品を購入した一般消費者の反応を幅広く集めるのに対し、白鶴酒造はジンに詳しい有識者から、商品そのものだけでなく「白風」シリーズとしての取り扱い意向についても意見を集めています。

 こうした違いからは、限定商品を次の商品化につなげる手法は一様ではないことが分かります。すでに全国展開や通年商品化につながった事例を持つアサヒビールに対し、2026年4月に始まった白鶴酒造の「Lab. SeeD」は、今後、有識者から得た評価を「白風」シリーズの商品候補にどうつなげていくかが一つのポイントとなります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)