伊藤忠商事は、南アフリカ共和国にてIvanhoe Nickel & Platinum Ltd.(以下「Ivanplats社」)が推進中のプラットリーフ(Platreef)白金族金属・ニッケル探鉱開発事業を推進する開発会社の株式8%を224億円の対価で獲得することに合意し、共同運営契約を締結している。同社は、2010年9月に同株式2%を10百万米ドル(約8.5億円)にて先行的に取得しており、これと合わせ、今般同事業の合計10%を保有することになるという。
同事業は、世界の白金族金属の8割超の埋蔵と7割超の産出量で知られているブッシュフェルト地域の北部に位置しており、1999年からの探鉱で、ニッケル・銅硫化物及び金を伴う有望な白金族金属の鉱徴と、更なる鉱量増加のポテンシャルを確認。同社は、将来的に同事業が、白金族金属生産最大手であるアングロ・プラチナ社が同事業に隣接して操業しているモハラクウェナ(Mogalakwena)白金族金属鉱山に匹敵するかそれを凌ぐ世界最大級の白金族鉱山として開発されると期待している。今回同社が投じる資金は、同事業の追加探鉱、事業化可能性評価及び開発準備資金に充当されることを双方合意しており、早期の開発・生産着手を目指す。
白金族金属は、需要の5割近くが自動車の排気ガスを浄化する触媒に使用され、国内の産業の競争力維持と強化に不可欠な金属である為、日本の資源確保政策の中で、最重要鉱種の一つに位置付けられている。同社は同事業に参入することで、事業の生産品をオフテイクする権利を獲得し、日本の資源確保に貢献すると同時に、資源権益の拡充を目指す。今後の事業推進にあたっては、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の金融支援制度の活用を検討している。
同社は、5月2日に全額出資子会社である伊藤忠鉱物資源開発を新設。金属鉱物資源分野での探鉱・開発案件を手がけ、同分野での活動領域を一層拡大し、発展に努める。同プラットリーフ案件も同社と同新設会社間で新たに強化された連携の下で、開発実現に向け推進する案件の一つとなるという。
今後もベースメタル・レアメタル等の探鉱・開発案件に積極的に取り組み、更なる資源権益の拡充・収益の拡大を目指す。