「将来不安」の正体。なぜ賃上げが進んでも、私たちの心は晴れないのか。数字と心理から紐解く

2026年02月16日 07:11

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「将来が不安」という漠然とした感情を、経済の視点から因数分解。2026年4月の制度変更や社会保障の仕組み、そして心理的背景。不安の正体を知り、前向きな一歩を踏み出すための整理学

 「手取りは増えたはずなのに、将来への不安が消えない」。働く世代の多くが抱えるこの感情は、決して気のせいではありません。なぜ不安が残りやすいのか、数字・制度・心理の3点から整理してみましょう。

 第一に、数字の面。2025年以降、賃上げ率は過去最高水準ですが、並行して物価も上昇しています。さらに2026年4月からは「子ども・子育て支援金」の上乗せ徴収が始まるなど、社会保険料の負担増が手取りを削り続けています。「増えた分以上に取られている」という実感が、安心感を打ち消しています。

 第二に、制度の面。少子高齢化が進む中、将来受け取る給付の「不透明さ」が、ゴールの見えない感覚を生んでいます。そして第三に心理面。人間には「得をした喜び」より「損をする痛み」を大きく感じる特性があります。たまの昇給より、毎日の値上げの方が強く記憶に残るため、客観的な状況以上に不安を感じやすいのです。

 しかし、不安の正体が「仕組み」や「本能」にあるとわかれば、対策も見えてきます。漠然とした恐怖に立ち止まるのではなく、NISAの活用やスキルのアップデートなど、自分でコントロールできる「小さな具体策」を一つずつ積み上げていきましょう。仕組みを知り、自ら動く。その積み重ねこそが、不透明な未来を切り拓く最強の武器になるはずです。(編集担当:エコノミックニュース編集部)