拡大する生命保険市場、アフターフォローの差が満足度の差に

2013年03月14日 09:30

 生命保険協会の調査によると、医療保険や終身保険の好調を受けて平成19年度以降増加傾向にある個人保険の新規契約件数。新規契約高は前年度比104.1%の65兆6015億円となるなど、契約件数、契約高ともに順調に増加している。こうした中、J.D.パワー アジア・パシフィックが2013年生命保険契約満足度調査の結果を発表した。

 2013年生命保険契約満足度調査(募集編)は、直近1年以内に生命保険を新規契約・更新手続きを行った顧客を対象に、契約プロセスにおける保険会社に対する満足度や各種活動実態を調べたもの。募集編における生活保障タイプの顧客満足度ランキングでは、対象となった19 社中、プルデンシャル生命が3年連続で第1位に。また、医療給付タイプの顧客満足度ランキングでは、対象となった16 社中、ソニー生命が第1位となった。ソニー生命は、「顧客対応」「商品提供」「手続・書類」の3つのファクターでトップ評価となっただけでなく、資産形成タイプの顧客満足度ランキングでも、対象となった7社中、2年連続第1位となっている。

 近年、顧客が各社の保険を比較検討する傾向が進んでいる。今回の調査結果では、代理店営業で契約した顧客の6割以上が、保険会社の直販営業で契約した顧客でも4割以上が複数の保険会社を候補に挙げて検討。生命保険を新規で契約する顧客の半数以上が契約以前の検討段階で他社の保険商品と比較しているという結果が出ている。生命保険の選定理由としては「自分にあった保険商品や保険プランだった」が30%と最も多く挙がるが、他社と比較検討した顧客はさらにこの理由を挙げる傾向にある。また、「自分にあった商品である」という理由で保険を契約した顧客は、満足度も高い結果となっている。さらに、これら顧客は今後も契約を継続したいという意向が10%以上高まっているという。

 直近1年以内に何らかのアフターフォローを受けた顧客の割合は6~9割と各社によって大きく異なり、各社の満足度、ひいてはロイヤルティの格差の一因となっているという。今は順調に増加している市場であるが、少子高齢化が解消されない以上、早晩縮小に転じることは想像に難くない。保険会社がどういったアプローチで現状を維持し、競争に勝ち残っていくのか、注目が集まるところであろう。(編集担当:井畑学)