勃起不全の模造医薬品に注意 厚生労働省

2011年04月27日 11:00

 勃起不全の模造医薬品「シアリス錠50ミリグラム」を服用した40代男性が数時間後にケイレンし、意識も低下。医療機関に運ばれ、診療した結果、脳静脈に血栓が確認され、その後、回復して退院した事例が奈良県で発生し、奈良県から「これらの症状と模造医薬品との因果関係は否定できない」と26日に報告を受けた厚生労働省は即日、同省ホームページで注意喚起を始めた。服用が必要な場合には「医師からの処方に基づき薬局で調剤された医薬品を服用するよう」警鐘を鳴らしている。

 奈良県薬務課によると「正規メーカーが製造したものでない偽造医薬品は海外だけでなく、インターネットを通じて国内にも流通している」といい、インターネットで流通している勃起不全治療薬(ファイザー株式会社=バイアグラ、バイエル薬品=レビトラ、日本イーライリリー・日本新薬=シアリス)を調査したところ、55.4%が偽造品であったという。

 こうした偽造医薬品は「アパートの一室など不衛生な場所で製造されており、麻薬や覚せい剤なども製造されている可能性もあり、それらの物質が混入する恐れもある」としている。

 今回の模造品について、奈良県では「シアリス50ミリグラム錠や100ミリグラム錠は世界中のどの国でも発売されていない」と情報提供するとともに、ネット販売や個人輸入にも注意を呼びかけている。

 今回は奈良県立医科大学附属病院から海外から個人輸入された模造医薬品による健康被害を防ぐ方法について相談され、医師への聞き取りで分かった。
(編集担当:福角忠夫)