東北地方太平洋沖地震により電力需給が逼迫している関東、東北両電力会社に対し、電力融通などを実施している中部電力が、電力融通量を少しでも増やせるよう、検討を開始、現状の10万kWから3万kW程度増加させることが可能との結果をまとめ、実施に向けて動き出した。
中部電力を含む60Hzの電力会社が、関東、東北両電力会社に電力融通するためには、電力の周波数を60Hzから50Hzに変換する必要がある。中部電力は、東清水変電所構内にある周波数変換装置(東清水FC)について、緊急的な対策を実施することにより、現在一部運用中で10万kWの変換能力を暫定的に3万kW程度増加させることが可能との見解を示した。同FCは、2014年12月に本格運用の予定で、最大30万kWの変換能力が見込まれており、計画の前倒しも検討している。
このほか、同社は、新信濃FC(長野県東筑摩郡朝日村)、佐久間FC(静岡県浜松市天竜区)も利用して周波数変換を行い、同社を含む60Hzの電力会社からFCの設備限度100万kWいっぱいの電力融通を実施。また、泰阜水力発電所では、発電機を50Hzで送電できるよう切替作業を実施して、2万から4万kWに及ぶ電力を融通。電力不足に対して、さまざまな支援を行っている。