被災地へガソリン・灯油を、石油会社復旧作業進める

2011年03月28日 11:00

 ガソリンの店頭販売価格は22日の全国平均は1リットル当たり151.2円であると石油情報センターが発表。東日本を中心にガソリン不足が深刻化する中、各石油会社では、復旧に向けた動きが見られるようになってきた。

 コスモ石油では、3月15日に原油処理能力の増強を行い、四日市製油所では通常1日あたり125,000バレルから175,000バレルへ、坂出製油所では110,000バレルから140,000バレルの処理を行っている。堺製油所では通常通り稼働・出荷を行い、千葉製油所では稼働していないものの、一部陸上出荷再開および海上出荷の準備中である。また、被災地において緊急車両、被災地への物資配送用車両の供給を優先としたサービスステーションの選定を行うと共に、石油の出荷を進めている。被災地の灯油不足を懸念して、21日には堺製油所から航空自衛隊松島基地に200リットルのドラム缶50本分も第一弾として出荷した。

 昭和シェル石油では、被災地のサービスステーションの営業を順次開始。23日の時点で東北地方では約70%、関東では90%が通常営業を始めており、営業を停止しているサービスステーションに関しても、グループ会社の技術スタッフにおける安全確認が取れ次第営業再開する見込みだという。また、出荷停止中の油槽所の復旧作業も急ピッチで進められている。さらに、灯油一斗缶(18リットル)を1000缶、避難所へ寄付することも決定しているという。

 JX日鉱日石エネルギーでは、生産能力低下を補うため、韓国からの石油製品の輸入や他石油会社からの製品購入などを実施。仙台、鹿島を除く製油所では陸上・海上ともに出荷しているほか、24日より同社および東西オイルターミナルの小名浜油槽所が、25日からは根岸製油所から郡山油槽所向けにガソリンや灯油、軽油などのタンク車(鉄道)の転送を開始した。

 このように、石油会社各社は急ピッチで復旧作業を進めている。ガソリン不足からサービスステーションへの行列が続くが、まずは被災地への優先的な供給が必要とされている。