菅直人総理は2日開かれた衆議院予算委員会で石井啓一衆議院議員(公明党政調会長)から社会保障制度と税の一体改革について質され、「(公明党が昨年暮れに示した新しい福祉ビジョン・2025年を中長期目標とした社会保障のトータルビジョン・中間とりまとめと)大きな方向として軌を一(いつ)にするもの」と共感する姿勢を示し「6月には社会保障と税の一体改革を提示することとしているが、その前からでも与野党協議をできればと思っている」と立案段階から協議に乗るよう要請した。社会保障制度と税の一体改革で公明党に厳しく批判されながらも菅総理は代表質問での国会に続いて、予算委員会でもエールを送ることとなった。
また、菅総理は「(2009年、2010年のマニフェストに示した)民主党の案をベースにするが、4月に示すもの(社会保障の考え方)にスライドするというものではない」とし、石井議員から民主党案を具体的な数字で示すよう求められても「2009、2010年の党のマニフェストで申し上げたものをつめていくというのではない」と答弁。石井議員から「実現不可能な案だから、他の案に変えようというものだ」と改めて追求された。
枝野幸男官房長官は「4月までに社会保障の全体像を、6月に財源を含めた案を示す。(案づくりは)白紙のところから組み立てていく。(月額で)最低限7万円の支給が必要ということは決まっている」としたが、これに要する総額がどれくらいになるのかの問いには答えず、民主党案がどの程度の確度で完成度の高いものだったのか、説得性を欠いた答弁となった。
(編集担当:福角忠夫)