社会民主党の福島みずほ党首は27日、東京地裁が今月14日に成年後見制度で後見人がついた知的障がい者らに選挙権を与えない公職選挙法11条は選挙権を保障した憲法15条や44条などに違反し、無効とした「成年後見制度の違憲判決」に対し、控訴を断念し、判決を受け入れるよう新藤義孝総務大臣に申し入れた。あわせて公職選挙法11条を早急に改正し、成年後見制度の利用者に選挙権を認めることを申し入れた。
福島党首は「報道によれば安倍政権は控訴する方針とされているが、裁判がこれ以上長引けば制度改革の遅れも避けられず、後見人が付いている約13万6000人(最高裁調べ)の選挙権が奪われた憲法違反の状態がなお続くことになり、許されない」と現実的な早期是正の対応をとるよう求めた。
また「選挙権がなくなることで成年後見の申し立てを差し控える傾向があるとされ、結論を長引かせれば制度自体が塩漬けとなってしまう懸念もある」と懸念。そのうえで「28日の控訴期限を前に、社民党は政府が控訴を断念し、成年後見制度を利用している人々に選挙権を認めるよう速やかに法改正を実施するよう求めたい」とした。
東京地裁はさきの判決で「成年後見人をつける際に審判で判断される財産の管理能力と(選挙での)投票能力とは明らかに異なる」とし「成年後見人がついても投票能力のある人は少なからずいる」とした。早期の是正を求める声は多い。(編集担当:森高龍二)