政府主催の主権回復・国際社会復帰を記念する式典が28日に予定されているが、沖縄では政府の式典と同日同時刻に、これに抗議する「県民大会」開催に向けた準備が進んでいる。沖縄2区選出の照屋寛徳衆議院議員(社民党)は「歓迎すべき動きで、多くの沖縄県民に理解され、支持される県民大会になるだろう」という。
照屋議員は「サンフランシスコ講和条約の発効により『わが国の完全な主権が回復された』との趣旨は歴史の真実に反する政府の嘘であり、式典への招待には欠席と通知し、式典の中止も求めた」という。照屋議員は「沖縄の立場から式典に抗議する県民大会に出席する」としている。
主権回復の日の式典に対する抗議の県民大会はオスプレイの沖縄配備撤回を求めた昨年の県民大会実行委員会のメンバー(各種団体)らが中心になるが超党派で開かれることになるもよう。
沖縄県議会も3月29日に政府主催の主権回復・国際社会復帰を記念する式典に抗議する決議を全会一致で採択しており、仲井眞弘多知事らの対応が注目されている。
県議会の決議は「サンフランシスコ講和条約調印により、奄美・沖縄・小笠原は日本から切り離され、米国の施政権下におかれた。4月28日は沖縄の人々にとって屈辱の日にほかならない」とし「政府がまず行うべきは沖縄における米軍基地の差別的な過重負担を改めて国民に知らしめ、その負担を解消することではないか」と指摘。
そのうえで「沖縄が切り捨てられた屈辱の日に主権回復の日として政府式典を開催することは沖縄県民のこころを踏みにじり、2度目の沖縄切り捨てを行うものであり、到底許されるものではない。よって、本会議は政府の式典開催に反対し、強く抗議する」としている。沖縄と政府の信頼関係構築に課題の多さが目立つ。今回の式典もそのひとつであることは確かなようだ。(編集担当:森高龍二)