積水ハウス、50周年記念モデルを発売

2010年09月01日 11:00

 8月1日で創立50周年を迎えた積水ハウス<1928>は30日、50周年を記念する商品として鉄骨戸建住宅「ビー・サイエ」と木造戸建住宅「ザ・グラヴィス」の2商品を9月1日より発売すると発表した。

 「ビー・サイエ」では、同社が軽量鉄骨系住宅で採用している構法に新たに型式認定を取得し、柱や耐力壁の強度アップを図ることで、これまで以上に設計の自由度を向上させ、最大6mまで可能な大開口フルフラットサッシや最大6m×6mの吹き抜け空間の提案を可能とした。最大の特長は、これにより室内外の連続性を持たせ、四季折々の機微を感じながらゆったり流れる時間を味わえる心地良い中間領域「スローリビング」を提案していること。同社は、京都にある研究所において”居心地の良い場所”"室内でも外を感じる場所”を検証する実証実験を行い、この「スローリビング」の考え方を確立させたのだという。また、天井・壁・床に適切な断熱材を施工し、室内温度のムラを少なくする独自の断熱仕様「ぐるりん断熱」を採用し、従来より断熱性能を向上させた。同社は徹底的な生産改革により、これらの新規要素を価格据え置きで販売する。

 一方、「ザ・グラヴィス」も、同社の木造住宅「シャーウッド」シリーズで採用している独自の構法に、今回新しく型式認定を取得した耐力柱「スーパーコラム」や「あらわし格子耐力壁」などを追加し、開放的で自由度の高いプランニングを可能にしている。また、無垢の床材など天然木材の質感を生かした内外装部材やサッシを連続して配置し開放的な空間を実現する「真壁連続開口」、約1.2メートルの深い軒の出などにより、本物の上質感を訴求するとともに心地良い暮らしを提案していくという。

 どちらの商品も同社が昨年から推進してきたグリーンファーストの「快適性、経済性、環境配慮の実現」という考え方をさらに進化させたものとなっている。さらに、従来のユニバーサルデザイン(UD)の考え方の基本となる”安全・安心・快適”に加え、”心地良さ”まで追求した「スマートUD」を提案。2階バルコニーのまたぎ段差をなくした「フルフラットバルコニー」や「電気錠システム」などを標準で採用した。

 新商品の記者発表会の会場となった同社の体験型展示施設「関東・住まいの夢工場」(茨城県古河市)で挨拶した阿部社長は、「創立50周年の節目の年に累積建築戸数200万戸を達成した実績と、これまで培ってきた工業化住宅技術や環境技術を生かし、50周年記念として誕生した2つの新商品を発売することで、戸建て住宅市場における受注増とシェア拡大を図ります」と述べ、新商品に対する自信を伺わせた。
(編集担当:北尾準)