官房機密費 引継ぎ受けるも使途、額引継ぎなし

2010年08月18日 11:00

 仙谷由人官房長官はさきの平野博文前官房長官から引継ぎを受けた際、透明性について問われている「内閣官房機密費(内閣官房報償費)」の扱いについて「報償費の執行に係る考え方(できる限り透明性を確保することが大事との考えなど、平野氏の6月3日の発言)や取り扱い責任者として承知しておくべき基本的事項について引継ぎを受けた」(政府答弁書)としながらも、「(平野氏が官房長官として在職中)どのような用途にいくら使ったのか、具体的な使い道について引継ぎは受けていない」ことが鈴木宗男衆議院議員の菅直人総理への質問で明らかになった。

 これは、菅総理が「本人に確認したところ(ご指摘のような点について)引継ぎは受けていないとのことだった」と答弁したもの。

 機密費が時の官房長官の手に委ねられ、前任者が使った機密費さえ、同じ政権の中でも機密のままにされていることを示しており、透明性の確保からかけ離れたところにあることが伺える。

 菅総理は「菅内閣として、官房長官が責任を持って(機密費を)執行し、その使途等を検証しているところであり、透明性の確保を図る方策については、その中で検討することとしたい」と回答するにとどまっている。透明性の確保については「いずれの時期かに公表する義務がなければ難しいのでは」との意見もある。
(編集担当:福角忠夫)