三菱重、伊・ATLA社への資本参加で欧州でのサービス体制強化

2010年08月11日 11:00

 三菱重工業<7011>は9日、イタリアのガスタービン部品製造・補修会社であるATLA社(ATLA S.r.l.)に資本参加し、欧州地域におけるガスタービンの保守サービス体制を強化すると発表。同社製のガスタービンの補修実績も多く、高温部品の補修では定評があるATLA社に資本参加する背景には、欧州市場において競争力を高めるとともに、中東・アフリカなども視野に入れた強固なサービス体制を構築する狙いがある。

 1978年設立のATLA社は、トリノ近郊のキエリに本社工場を構え、ガスタービン部品などの製造および補修を手掛けている。2007年には、三菱重工業と合弁でDiamond GT Service Europe s.r.l.(DGTSE)を設立し、納入済みの同社製ガスタービンの検査業務などを行っている。

 三菱重工業の海外市場におけるガスタービンのアフターサービス事業は、米州やアジアなどでは既に強化を講じているが、今回の資本参加により、欧州・中東でも拡充されることになる。

 同社は今回、ATLA社の発行済株式のうち40%をイタリアの航空宇宙メーカーAVIO社およびATLA社のE.ガンジーニ氏より取得。今後は、ATLA社に役員を送り、ガスタービン高温部品の補修、小物部品や補機の保守を中心に、世界最高水準の技術サポート体制を整備していく方針で、ATLA社の工場拡張による補修能力や部品新造機能の増強、出資比率引き上げなども検討していくという。
(編集担当:北尾準)