杏仁豆腐で知られる石井食品株式会社(本社・千葉県船橋市)が、自社が表示責任者になっている加工食品の原材料に香料を使用しながら「無添加調理」と表示して販売していた問題で、消費者庁は7月12日、JAS法違反にあたるとして、適正表示への是正とともに、チェック体制の強化、再発防止策を講ずるよう指示。品質表示の強化について講じた措置を8月12日までに消費者庁長官に提出するよう命じた。
消費者庁は今年6月16日に同社八千代工場を調査。その結果、杏仁豆腐の原材料に香料を添加物として使用していることが分かったが、一括表示欄の原材料名に表示せず、2008年5月から今年5月24日までの間に、3万1827個を製造、販売していた事実が確認できたという。
石井食品では「無添加調理 当社での製造過程においては食品添加物を使用しておりません」と朱で印刷表記していた。
石井食品は12日、自社HPで改善指示を受けたことを伝えるとともに「使用されていた香料は杏(あんず)由来のもので、原材料(杏仁霜)は台湾から輸入していたが、今年5月に商社より原材料規格書を取得した際、これまで入手していた原材料規格書に記載されていなかった香料の追加を発見し、事実関係を調査。当該製品の出荷停止と店頭からの回収を行った。発生以降、原材料の一括表示の一斉点検を実施し、他の原材料に問題がないことを確認した。このような事態が発生しないよう努めていきたい」とのコメントを掲載した。
(編集担当:福角忠夫)