NEC <6701> は24日、グローバル事業強化の一環として、中国で医療ソリューション事業を開始すると発表した。中国の医療向けソリューション事業においてトップレベルの技術と実績を有する重慶中聯(ジュウケイチュウレン)信息産業有限会社(本社:重慶市)と共同で、医療事務・オーダリング・電子カルテ等を実現する大規模病院向け医療情報パッケージソフトを開発し、新パッケージソフトの販売していく。
中国では昨年4月、「医薬衛生体制改革重点実施案(2009-2011)」が発表されたことで医療制度改革が本格化。中国政府は2009年から2011年までの3年間で医療制度改革に総額8,500億元(約12兆円)を投入する予定で、中国医療情報化市場は2009年からの3年間で年平均成長率14%程度の急速な成長が予測されている。電子カルテの整備や地域医療、住民生涯健康カルテ等の導入計画が注目されており、医療機関向けのコンサルティングサービスやトータルソリューションの提供が求められていた。
こうした状況の中、今回、NECの日本国内で培った先進の医療ソリューションの技術と、中聯社が培った中国の病院特有の業務プロセスやニーズに関する知識・システム開発力が融合し、新パッケージソフトを共同開発。この新パッケージソフトは、現在、中国国内に約800ケ所ある大規模病院を主なターゲットとし、医療事務・オーダリング・電子カルテをはじめ、薬剤・検査などの各部門システムや、院内OAシステムなど、院内業務全般に対応できる機能を備えているという。
NECは今後、中国各地域における事業基盤や専門性を有する様々な中国ローカルベンダとのパートナーシップを検討し、医療ソリューション事業体制を順次拡大。こうしたパートナーと共に、同社のインフラ技術・電子カルテ用高精細ディスプレイなどのハードウェア製品を組み合わせたソリューションを拡充していく方針だ。
(編集担当:北尾準)