俳句、短歌を雑誌等掲載に高額な掲載料で注意

2010年05月11日 11:00

 短歌や俳句を趣味にしている高齢者が多いなか、「自作の短歌や俳句を新聞や雑誌に掲載しないか」と電話で巧みに勧誘し、無料と思って承諾すると、高額な掲載料を請求される事例が2008年度以降急増しているとして国民生活センターがこうした電話勧誘に注意を呼びかけている。1件あたりの契約額も2009年度は約29万9000円と高額になっていた。

 センターによると、こうした相談は2008年度(150件)に入り急増し、2009年度では356件と倍増していた。

 2004年度から2009年度までの相談件数571件のうち、2008年度、2009年度で全体の88.6%を占めており、急増ぶりが伺える。

 被害に遭っているのは、80歳代が283件と半数近い。次いで70歳代(193件)、60歳代(51件)になっていた。

 掲載の平均購入金額は約26万円で、10万円から50万円未満が222件と最も多かった。センターでは「2004年度の平均購入額が7万1000円だったのに対し、2009年度は約29万9000円と金額が高額化する傾向がみられる」と話している。

 相談の主な事例では「突然の電話勧誘で契約を結ばせる」「広告代理店等の事業者が、新聞社からの勧誘と誤認させている」「掲載料は無料と勧め、承諾した後、高額請求する」「高額に驚き、解約を申し出ると、すでに印刷しているので解約できないなどという」「消費者が勧誘を断っているにもかかわらず、勝手に掲載して後から請求書を同封する」「掲載承諾書の当初のやりとりでは金額記載がないのに、後から記載し請求する」「本当に掲載されているのかが不明なケースもある」などをあげていた。

 センターでは(1)事業者の説明をうのみにしない(2)しつこい勧誘は、きっぱり断る(3)承諾していない時は支払わない(4)家族や消費生活センターに相談する(5)他の趣味でも注意をするなどをアドバイスしている。
(編集担当:福角忠夫)