原産地虚偽表示で三杉屋に是正指示 農水省

2010年04月30日 11:00

 農林水産省は大阪府摂津市に本社を置く三杉屋がカンパチやハマチなどに事実と違う原産地を表示し、「養殖」水産物であることも表示せずに一般消費者に販売していたとして、4月28日、適正表示を行うようJAS法に基づき指示するとともに、5月28日までに大臣あてに再発防止に講じた措置を報告するよう求めた。

 近畿農政局が今年2月8日から3月17日までの間、三杉屋の玉川店や山陽明石店を調査した結果、「カンパチ」(2商品)について、「愛媛県産」という事実と異なる原産地(仕入先であるA社から伝達されていた原産地である「鹿児島」と異なり、少なくともその一部は実際の原産地とも異なる原産地)を表示して、昨年5月16日から今年2月8日までの間に1573パックを一般消費者に販売したとしている。また、玉川店は「不適正表示を隠蔽するために、A社と相談し、架空の売渡伝票を作成し、これを近畿農政局調査員に提示した」という。

 同社山陽明石店でも「島根県産活しじみ」の原産地を「青森県産」と表示し、平成22年3月10日に、少なくとも18パック一般消費者に販売。また「和歌山沖さらしくじら」の原料原産地を「南氷洋」と表示し、昨年11月19日から今年3月10日までの間に、少なくとも475パックを一般消費者に販売した、などとしている。

 三杉屋は「(農水省からの警告を)真摯に受け止め、今後、このようなことがないよう、全社あげて、より一層の万全なチェック体制をとってまいります。お客様をはじめ、関係者の皆様へ多大のご迷惑をお掛けいたしましたことに対し、心より深くお詫び申し上げます」との杉本光晴代表取締役のコメントを発表した。
(編集担当:福角忠夫)